++たらたら日記++

現在絶賛放置中。
感想等は基本毒吐き。
サイドメニューはプルダウン式です。
最近、コメントの表示に若干の不具合が出ていますが、
管理人にはきちんと届いています。

映画「必死剣 鳥刺し」

 昨日見に行って参りました。
 あまり日記で語ったことはありませんが、豊川さんはけっこう好きな役者さんです。最近はあまり熱心に作品を追いかけていませんが、豊川さんが「トヨエツ」と呼ばれるようになるより以前は、わずかの出番を求めて映画あさりをしたものです。

 平日だし、割引のある日でもないので、観客はかなり少なめでした。その中で自分は一番の若者でした(笑) このあいだのシュアリーでは一番上だったのに。

 先に文句を言っておこう。
 エンドロールに流れるJ−Popな主題歌が雰囲気ぶち壊し。おのれエ○ベックス。たぶん資金集め関係のアレなんだろうなあ。

 まあ、貶すところはそれくらいで。
 人によっては退屈に思うかもしれないけど、個人的には良い映画でした。
 ああ、豊川さんもこういう役が似合うようになったんだなあ。
 藤沢周平作品って読んだことなくて、清左衛門残日録のドラマと蝉しぐれの舞台見ただけなのですが、そこで感じた、昔の日本人の実直で慎ましく、日々の些細なことに喜びと美しさを見いだす生き方と、そのささやかな生活が権力闘争などに揺るがされる悲しさなどは、この映画でも充分に味わうことが出来ました。

 なんといっても所作の美しさ。ふすまを開いて入室する、ただそれだけのことのなんと奥ゆかしくきれいなことか。
 ほとんどBMGが使われていなくて、些細な動作に伴う衣擦れの音が強調されています。
 (まあ、たまにあるBGMは残念ながら全体にはったりかませすぎで凡庸な感じでした。あれならないほうがマシ)

 以下、かなり深刻なネタバレかます予定ですので、隠します。
2010年07月27日(火) (感想::映画・DVD)

映画「シュアリー・サムデイ」

 はい、そうそうに見に行きましたよ。
 小栗旬「主演」ではなく「監督」というあたりで、どれだけの集客力があるのか自分にはさっぱり見当つかず、空いていたという情報も流れてきたので心配していたのですが、混んでもないけどスカスカと言うほどではなかったです。
 普段自分が見る映画よりあきらかに年齢層が若かった。特に、高校生くらいの男の子たちがいたのにはびっくりした。女の子とデートじゃなく、男の子が友だち同士で映画にくるのを見るのってすごく珍しい感じ。
 
 予告編のあいだ、近くに座っていた高校生くらいの女の子たちのおしゃべりが実に面白かったです。
 「BECK」の予告がかかって、「ないわ〜」とか言いつつ、「少年漫画って文字が多くて難しいよね」「何度もページ戻っちゃう」とか言っていて、ちょっと学業大丈夫かと心配いたしましたが。
 その後も若いイケメンがスクリーンに映るたび(思えばそういう映画を選んで予告を流してたんだな)ブーイングしたりきゃーきゃー言ったり。よさこい?映画でやきそば一平ちゃん(違)とミライくん(違)が上半身裸になってるとこでは椅子に倒れ込まんばかりにキャ〜〜ッ!!と喜んでいました(笑)

 ちなみにそのお嬢様がた、上映が終わった後の感想で何を言うかと耳を澄ませていると「下ネタ多かったね」と。
 うん、まあね……。なんだかんだいいつつ純であろううら若き乙女たちには、あの男子成分濃厚な下ネタてんこもりはキツかったかもしれないね……(特に何も感じなかった自分の汚れっぷりに微妙に凹み)

 つうわけで本編感想です。
 ネタバレしないつもりだけど、一応折りたたみで。
2010年07月20日(火) (感想::映画・DVD)

映画「春との旅」

 一つ映画を見に行けば、いろいろ予告編を見るわけで。
 何のときに見たのか忘れたけど、どこか自分に引っかかったのがこの「春との旅」だった。
 すっかり老人の顔をした仲代達也が孫とおぼしい娘さんと歩き、道端で「お前は俺を捨てていくんだ!」とわめき、画面が切り替わると二人ベンチに身を寄せ合っていた。
 
 京都シネマかシネヌーヴォあたりでやるのかなあ、と思いつつ、いつやるとも知らずにいたのだけれど、ひとさまのブログに感想が上がり始めた。
 近隣だとどこでやるのだろうかと検索をかけてみると、Tジョイ京都なる見知らぬ名前が。はて、いつのまに出来たのか、自分のアンテナも鈍ったなと思いつつ出かける。
 行ってみれば知らぬも道理、シネコンの入った施設自体が6月4日オープンだった。平日なのに人いっぱい。

 内容は、なるべくなら何も知らずに見に行くのがいいと思う。
 ていうか、よくシネコンにかかったなあ。
 出演者はやたら豪華だけれども。

 老人と孫の旅の話。春、とは孫の名前。
 北海道の海辺の寒村に二人きりで暮らす祖父と孫。
 孫の失職をきっかけに互いの身の振り方でいさかいをおこし、祖父は自分の身を寄せる先を捜して疎遠だった兄弟たちを訪ね歩き、孫は足の不自由な祖父を案じて付き従う。

 ただ、それだけの話。

 無学で頑固でわがままな老人と、どうにも見た目の冴えない娘。(孫のガニ股歩きっぷりに最初驚いたが、足を引きずる祖父をいつも支えて歩いていて歩調がうつってしまったのだろう)
 身勝手で気まぐれでどうしようもない祖父の言動に、孫がときに吐息を付き、ときにキレそうになりながら付き合うのは、長く一緒にいた家族だからこそ、なんだろうか。

 行く先々で、それぞれの事情があり、それぞれの思いがあり。
 長く生きた人の、人生について思う言葉がある。
 まだ若い人の、答えの返らない問いがある。
 身の置き所のない己はやるせなく。
 所持金のほとんどない旅は情けない。
 自分はまだ幸いにして人生でたじろぐほどの思いはしたことがないけれど、いつかこの身におきないとも限らないことで、どうにもやるせなく見ていた。

 それでも、はじめ怒りにまかせて飛び出した祖父を、数歩離れて恐る恐ると言った風情で追っていた孫が、次第に毅然とした目をして立ち振る舞うようになっていき。
 問題児であるところの祖父に、慈愛を含んだ表情が浮かび。

 最後の最後だけは映画的結末だったかもしれない。私は幸せな終わり方だったと思う。
2010年06月08日(火) (感想::映画・DVD)

映画「アリス・イン・ワンダーランド」

 映画館に出かけた本当の目的は、電王映画のDVDパンフ付き特別前売り券を買うためだったんだけど、売り場にでかでかと「完売」の赤札が貼られていた。ええ、デネブフィギュアもね。
 土曜日発売だったのでダメもとで出かけたのだけれど、あまりの表示の目立ちっぷりに、電王ってまだ人気があるんだなあと他人事のように思ってしまった。
 通常の前売りは買いませんでした。だってレディースデー千円で見られる可能性があるのだもの。ここのマイカルは月曜だし。(……ちなみにいつも行く京都の映画館は上映自体がありません。あうう)

 それはともかく。
 自分自身へ「映画を見るついでに前売り買いに来た」と言い訳するために、一応目をつけて(時間も見計らって)たのが「アリス〜」。
 せっかくなので、3Dで見ることに。基本料金1800円だったら2Dにしてただろうけど(笑)1000円プラス300円だし。
 ただ、渡された3D用眼鏡がノーマルタイプで。券売所の見本には眼鏡使用者専用のものも陳列されていたので聞いてみると、別途300円必要とのこと。無料配布のも大きく作ってありますから……と言われて一応装着してみたけど、眼鏡オン眼鏡だとずり落ち気味になり、視界の8割しか覆わない。これは無理だと300円払ってツル無しで眼鏡にくっつけるタイプにしたら快適さが全然違う。合計1600円になっちゃった。

 混んでる券売所ですったもんだして後ろに行列を作るという迷惑な客をやらかしておいて、開始まで時間あるからちょっとお茶してたらチケットを無くしてしまったことは内緒。これはもうお前は見るなという天の配剤かとも思ったけど、ダメもとでもっかい券売所に行ってみたら、席番号覚えてたのと3D用眼鏡を持っていたのが決め手になって、入れてもらえた。ほんとに迷惑な客。いろいろごめんなさい。

 当然ながら3D初体験。
 通常の広告から3D映像に切り替わったとき、客席全体から「おーう」と声が上がった(笑)
 数日前、商品評価系の雑誌読んでいて、3Dにも撮り方によっていろいろあってアバターが3Dならアリスとかは2.8Dだみたいなこと書かれていた。
 で、本編始まる前に近日公開映画のトレイラーがいろいろ流れるわけだけれど、たしかにものによって違うなあという感じ。ガフールの伝説とかいうフクロウがわさわさ出てくる映画は奥行きも飛び出し具合も自然で、ついでにフクロウの羽毛の柔らかそうな感じがよく出ていて、最近のCGはここまでになったのかと感心。逆にバイオハザードはなんとも不自然さがつきまとい、焦点の合っている人物以外が妙にぼやけて見えるし、銃などを突き出すときだけニューっと画面手前に伸びてくる。

 ちなみに。3D見るときはなるべくなら吹き替え版のほうがいいと思った。字幕版だと自分のなかで意識して字幕に焦点を合わすような感覚がつきまとう。(ええ、アリスは字幕吹き替え両方あったのに字幕を選びましたよ)

 内容は……むしろアリスについてあまり知らないほうが楽しく見られたんじゃないかな。ディズニー版見てるくらいなら問題ないだろうけど。
 物語は、よく知られる「不思議の国のアリス」その後の設定。かつて不思議の国へ赴いた少女アリスも19歳。変わり者ながらも美しく育ったアリスは気に染まぬ男と婚約させられそうになり、パーティを抜け出して再び穴の中へ。
 と、ここまではCMでもやってる部分。以下ネタバレ。
2010年04月26日(月) (感想::映画・DVD)

映画「時をかける少女」(2010年版)

 まあ、この間書きかけだったので、一応、ときかけの話でも。
 最初全然情報仕入れていなくて、またリメイクか、と思っていたんだよね。そうじゃなくて、あの原田知世版の続編というか、娘の話で。
 で、なんで見に行く気になったかというと、映画評やってるブログ見て回っていて、かつて原田知世版のときかけに傾倒していたおじさま方がこぞって好意的な感想を書いていたから。
 あの当時のお兄ちゃんたちの知世ちゃんへのハマリっぷりときたら、すごかったですよね。もうバタバタと鎌で刈り取られるがごとく薙ぎ倒されていて。
 そんな知世ちゃん版ときかけを神聖視しているであろうおじさま方が反感抱かずに受け入れるというのは、一見の価値があるのではないかと思いましてね。
 あ、自分はリアルタイムじゃ見てなくて、テレビにかかったときに見てるくらいです。当時はお目当てのアニメ映画見に行くのに小遣い的に精一杯だったんだよ、びんぼ女子高生的には。

 まあ、一言で言えば、切ない恋物語でしたわな、これも。
 ヒロインの「あかり」役の仲里依紗が明るく元気な今どきの女子高生でよろしうございました。まあ、直前に流れていたゼブラーマンの広告でハミ乳ボンテージで腰降っていた姉ちゃんと同一人物とは思えません(笑)女優さんてすごいな。

 自分は知世ちゃん版しか知らないから、「芳山和子の時代」は83年だと思っていたけど、この映画では70年代前半に飛んでいったので、はじめちょっぴり混乱。まあ、原作の時代設定なんだろうと勝手に納得。(後で調べたら、原作は1965年。どうやらNHKドラマ「タイムトラベラー」での時代設定の模様。ちなみに知世版公開時に「タイムトラベラーのほうがずっと良い!」と気炎を上げていた人が多かったのも思い出深い)
 ネタバレはなるべく避けるけど、映画の舞台のほとんどが70年代。自分もかろうじて記憶の隅っこにリアルタイム体験があるので感慨深かった。ああ、あの頃の多数の男の子はブルース・リーにはまって、ヌンチャク持っていたよなあ、とか。お店で買えるジュースってリボンシトロンほぼ一択だったよなとか。ベトナム戦争はまだ続いていて、終わりがくるものだなんて思っていなかった。いろいろな小道具や、町行く人の服装髪型まで気を遣った映画でした。
 あかりちゃんの70年代ファッションが不思議とはまっていたんだよね。
 で、彼女が出会う大学生が、ほんと昭和の香り漂っていてよろしゅうございました。
 過去で出会うヒロインの母(ようするに原作のヒロイン)がいかにも楚々とした昔風の女学生でこれまたよろしい。
 昔風の、なんともじれったい、距離のある、ささやかな恋のアプローチの描き方がくすぐったくも楽しかったのですが……
 最後のほう、ちょっと意外な展開でした。
 泣いちゃった。
2010年04月20日(火) (感想::映画・DVD)

「プリンセスと魔法のキス」

 昨日見てきましたよ。
 ディズニーアニメ見に行くのって、「美女と野獣」以来だなあ。
 考えてみると、ディズニーとかピクサーとか、CGアニメ系の映画っていっこも見てないんだよね、自分。
 別に偏見持ってるつもりはないし、映画館で予告見ると面白そうだなあとは思うんだけど。
 でもこの「〜魔法のキス」は予告見てなぜか「あ、行かなきゃ」と思って、後で新聞記事見て久方振りのディズニー手書きアニメだと気付いた。

 平日だったし、字幕版だったので子どもはいなかったです。カップル数組と、女友だち同士と、中学生くらいの女の子とお母さん。ほほえましいねえ。

 楽しめましたよ。
 ん。お子さまにはもったいない。
 ところどころ挿入されるミュージカル風の絵柄の違ったシーンがとても洒落ていて大人っぽい。
 やっぱりこれはカップルで見るべきでしょうねえ。愛の映画だから。
 なぜニューオーリンズが舞台なのにプリンセスなのかと思ったけど、見てなるほど、と。
 王子がダメ男で笑った。
 でもって、お互い恋に落ちるの早すぎるよ。
 王子のほうはともかく、ヒロインのほうは相手のどこが良かったんだか。
 ヒロイン蛙がだんだん美女に見えてくるのはなぜなんだろうなあ。
 蛍たちがディズニーってよりカトゥーンな絵柄だった。
 お話がぽっちりだけ物足りなく感じられたのは、敵役がやたらと小物だったからかなあ。
 まあ、歌と踊り満載で、楽しい映画です。
2010年03月16日(火) (感想::映画・DVD)

「渋谷」

 なんかもう、ひと月経っちゃって記憶も曖昧だけど、「渋谷」を見に行ったときのこと書いておこうか。
 泊まるホテルは品川にした。秋にエレクトロニックガールを見に行ったときと同じホテルにしても良かったんだけど、なるべくいろいろ違ったとこに泊まってみたかったし。夏、ライブに行って突発お泊まりになったとき、品川は新幹線停まるし、(ラブの付かない)ホテルもいっぱいだと知った。ビジネスマン比率が高い雰囲気が、化粧気も洒落気もない中年女がうろうろしていても紛れてしまえる感じがした。自意識過剰とわかっていても渋谷はあまりにも己の「異物感」に街から排斥されそうな気分に陥るのだ。
 ホテルは品川プリンス。駅のすぐそこ。でも迷った(笑)
 棟がいくつかあって、ビジネス利用向けシングル専用のとこ。本当にビジネスユースに特化した感じで、アメニティとかちょっと味気なかったかな。
 若干疲労気味だったので、今回は散財を自分に言い訳するための観光などは無し。
 駅直結の商業施設で、テレビで紹介していたワイシャツ専門店によってダンナのシャツを数枚購入。自分のものも買いたかったけど、入るサイズがなかったんだよコンチクチョウ。

 嫌だ嫌だと言いながら、自分の見たいものはここでしかやらないものだから、足を運ばざるを得ない渋谷。ユーロスペースまでは案内も何も見ずにスイスイ行けるようになってしまった。
 平日の夜遅くだというのに、30人くらい観客がいた。カップルも男性客も。……なんというんだろう、自分みたいな「お目当ての俳優さんを見に来ました〜」という層ではなくて、映画好きで単館系の映画はほぼハシゴしてます、今日も映画を見に来ました、という雰囲気の人が多かった気がする。
 地域のフリーペーパーで「渋谷」を大きく取り上げてユーロスペースで配布しているという話だったけど、どうもそれは無くなってしまったらしい。壁に貼ってあるのを上演終了後読んだ。

 映画の内容については……なにを、どう語ればいいだろう。

 なんというか、自分は評価することを最初から封じられた気がする。
 自分は、親の愛情に恵まれて育って、十代の頃取り立てて大人社会に対して反抗心も抱かず手のかからない学生で、今もありがたいことに社会的にそこそこ安定した生活をしている。
 そんな自分が、あの危うげな若者たちに何を言う資格があるだろう。
 自分とまったく異なる境遇の、自分の貧困な想像力では思いも寄らないものを抱えている少女たちについて、自分がどうこう考えるなんて、不遜であり許されないことだとしか思えなかった。
 (この居心地の悪さを感じたのは私だけじゃないらしく、三石さんのファンブログでも同じような感想書いてる人がいた)
 自分はただ与えられる情報をハァハァと相づち打ちながら受け取るだけ。

 んで、この映画については、事前に読んでいた綾野さんの役作りの凄まじさがあまりにも強烈で、それの印象がきつすぎて、内容が自分の中に入るときにぶれてしまったような気がする。
 ていうかこの物語の主人公(ていうか狂言回し)の青年の境遇はどこまで綾野氏本人と被っていたのだろう。……あんな半端に家庭境遇の複雑さを露呈するようなインタビュー載せるから……知らずに済むなら知りたくはなかった。
 あんな気弱で、嘘が下手で、押しが弱くて、不器用で、優しい青年……はまりすぎてて、こっちも混同してしまう。

 映画の中でプチ家出中の少女が、渋谷にあこがれていた、ここには何でもある、ずっとここに住みたい、と言っていたのを見て、なんとなく何故自分は渋谷が苦手なのか少しわかった気がした。あの街では欲望が剥き出しなのだ。欲望という言葉に語弊があるなら、人の生の感情、でも良い。他の街ならお行儀よく隠されている人々の生の部分があの街では表に出てる気がして。他の街ならどんなに人混みの中でも自分以外の人影はただの風景にしか過ぎないのに、あのスクランブルに立つと大勢の一人一人がそれぞれまったく違う人格を持ち生活を持つ生きた人だという事実が迫ってきて、自分自身が処理しきれず壊れそうになる。
 何いってんだコイツ、と思われるでしょうね。自分もそう思いますよ。
 なんていうか、自分は、電車に乗って、夜の街を横切って、点っている窓ひとつひとつに人がいて、それぞれ何かをしているのだと思うと、空恐ろしくなってしまう人なのですよ。全くの他人で、想像も付かない誰かが、ものすごく沢山いて、それぞれのたった一つの人生を生きてるなんて、自分の想像を遙かに超えていて、そんなのただの明かりでしかないと存在を忘れてしまいたい。自分の身の回り以外のことなんて、自分の頭じゃ処理できない。

 うわ、ホントに何書いてんだかわかんなくなってきた。

 でも、まあ、あの映画はあれでひとつのハッピーエンドだったのかな。
 ひとつのつながり。
 誰かが自分を知っていること。
 誰かが自分を探してくれたこと。
 自分のためにしてくれたこと。
 それがあれば、生きていけるのだろうか。

 上映後、壁に掲示されたフリーペーパーの、綾野さんのインタビュー読んで、初めて渋谷に行ったとき全員が敵に見えた、と書いてあるのを見て、ちょっとほっとした。
2010年02月24日(水) (感想::映画・DVD)

映画「私の中のあなた」「THIS IS IT」

 知らぬ間に師走。
 11月はほんとにバタバタしていて、なったと思ったら終わってた。

 とにかく、一つずつ書いていく。


 11月25日は代休もらって、映画に出かけた。水曜はレディースデーだし。

 朝イチに見たのは「私の中のあなた」(その時間しかやってなかったので)
 骨髄性白血病の少女とその家族の物語、と書くと、きょうびはやりのお涙頂戴モノのようだが、そう単純でもない。
 愛する娘ケイトが2歳にして病に冒されたとき、両親は「完全なドナー」となるべき肉体を人工授精によって妊娠し、生み出した。それが妹のアナ。
 アナは幼い頃から何度となく手術を受け、姉に骨髄などを提供してきた。
 14歳となったケイトは病状が悪化し、延命のためには腎移植が不可欠となった。
 ところがアナは弁護士を雇い、これ以上の医療措置を拒否すべく両親を訴えたのだった……。

 ……と、ここまではネットのあらすじなどで事前に知れる範囲。

 原作は未読だが、日本語訳版が発売されたとき、それなりに評判が立ったので存在は知っていた。
 「MY SISTER'S KEEPER」という原題のほうがより内容を的確に表していると思う。
 姉を生かすための存在。

 以下、なるべくネタバレを避けた感想。
 
 ほんの数年の短いスパンの中で話が過去に飛んだり戻ったりするので、時系列の把握に若干戸惑ったが、良い映画だったと思う。
 冷徹に病状を描いていて、後半のケイトの容貌はむごたらしくさえあるのだが、悲惨な場面よりも、家族で遊びに出かけたり、ボーイフレンドといちゃいちゃしたり、そんな楽しげなシーンのほうが涙腺を刺激された。

 で、日本と米国の、なんというか、考え方の違いみたいなことも感じた。
 長女を死なせないために頑張るあまりヒステリックになっている母は、反抗する次女に「子どもは自己で判断できないのだから親に従え」ときっぱり言う。周囲も同様。
 学生の頃読まされた社会学の本などで、欧米は性悪説をもとに子どもは親が矯正して枠から外れないよう躾けてまっとうに育て上げようとする(日本は性善説で、子どもは無垢で尊いもの)とか読んだことを思い出した。体験マンガでも米国では親が意外とティーンに対して縛りが厳しいとかあったし。
 あと、一元論とか二元論とか、きちんと学んだわけでないのでいい加減言うと怒られそうだけど、米のほうが身体と精神は別のものという割り切りが強いような気がした。たぶん、移植に関しては日本人はもう少し抵抗があるような気がするのだけれど。
 この映画を日本人が見ているのと、本国でのとらえ方にはきっと差異があるのだろう。

 終盤は前から横から後ろから、鼻をすする音が響きっぱなしだったけれど、私はほとんど泣かなかった。これはある種、希望を含んだ終わりだと思ったから。希望は違うかも知れないけど、スコンと明るい終わりだったと思う。


 もう一本、「THIS IS IT」を見た。
 自分は別段マイケルのファンじゃないのに、足を向けたのは、あちこちの感想の熱さに当てられたから。

 そう、ファンじゃない。曲もほとんど知らない。
 十代の頃あまりにも人気だったから、へそ曲がりの私はそっぽを向いていたのだ。

 ただ。
 自分が初めてマイケルの存在を知ったのは、NHKの洋楽紹介番組だったと思う。ふと画面を見ると「BEAT IT」のPVが流れていて、歌と踊りの渦に群衆が飲み込まれていくさまに、体の内側からざわざわと何かが湧き起こる高揚感を覚えた。
 もう一度見てみたい、と思ったけれど、直後に「スリラー」が大ヒットして、テレビで見かける映像はそれ一色になってしまった。ちょうどその後、受験のためにテレビを封印してしまい、解けた頃にはへそ曲がり発動してしまったので、二度と見ることはなかった。……死亡後のニュースでやたらと流れるまでは。

 マイケル世代でありながら、マイケルと無関係でいた自分は、後々テレビのニュースで容貌が形容しがたく変貌していく彼に、何とも言えない気持ちを抱いていた。
 貴公子ならぬ奇行氏と呼ばれるようになった彼を単純に笑い飛ばしてしまうには、たった一度だけ抱いた高揚感が、トゲのように胸に刺さって邪魔をするのだ。

 その胸のトゲを、きちんと見極めたくて、出かけたのだと思う。

 ファンではない、そもそも音楽もろくにわからない、そんな自分だったけど。
 歌い、踊るマイケルは格好良かった。
 それ以上の言葉がいるだろうか。

 ツアーのリハーサルは、リハとはいえとてつもなく大がかりで完成度が高かった。
 スタッフもダンサーも、口々にマイケルと仕事をする喜びを語っていた。
 皆で、限界を超えた、誰も見たことのないステージを作ろうとしていた。
 ……それが未完に終わったのか……

 20年以上前のあのトゲは、決して幻じゃなくて、たしかに歌と踊りの洪水の中で高揚感・快感を覚えた。

 終わったとき、客席から拍手が起きた。
 感想を読んだブログで、「拍手が〜」と書かれていたけど、やはり起きた。
 本来ならステージで行われるべき拍手だったからかもしれない。
 映画で起きた拍手と言えば、文楽人形を戸外へ持ち出した映画「曽根崎心中」を思い出す。あれも本来は舞台で見るべき作品に大して起きた拍手だった。



 2本の映画の間に、昼食をとろうとして、どこが良いかふらふら悩んでいて、新京極の、学生時代から何十回下手すると百回前を通っていた「スタンド」という飲み屋のドアを開けてみた。六曜舎に続いて、若い頃は気が臆して無理だったけど、この歳だから入ってみたお店パート2。
 うなぎの寝床のような店内の中央のカウンターには両側から多くの客が座っていて、平日の昼間からビールを手にしていた。なにもかもがそれはすばらしく年季が入っていた。昼間からステーキ定食(900円)頼んでしまったけど、付け合わせのコロッケが涙が出そうなほど美味しかった。初めての味。次に行くときはコロッケをつまみに飲むとしよう。
2009年12月03日(木) (感想::映画・DVD)

クローズゼロ

 CSで流していたので録って見てみた。
 2を見るに際して雑誌やらメイキングやらで十二分に前作については頭に入れていたので、なんか知った気になっていたけど、一応敬意を込めて。
 教師や警察、バーの店員といった大人が出てきたことに驚いた。(まあ教師は本当の冒頭だけだったけど)
 CZ2は完全に学生だけで閉ざされた世界だったからね。ヤクザはいるけど、本筋に絡んでこないし。
 芹沢がまだ小綺麗だったのでびっくりした。あれが2であそこまで小汚くなるのか。
 で、源治が若いというか幼い。あの年頃って2年で顔が変わるものなのね(劇中じゃ半年たらずだけど)
 2ではほんのちょいだけの出演で、なんでキャスト表に大きく載ってるのか首をかしげた1年生トリオは、それなりの出番と役割があったのでようやく納得。ていうかラストバトル実況&解説役かよ(笑)
 前半の笑かしが入ってる部分(主に拳と牧瀬がらみ)は恥ずかしくて見てるのしんどかったけど、メンツが揃ってきた中盤以降は面白かった。
 手術シーンは手術台に上がったことのある人間としてはツッコミを入れずにはいられませんでしたが。ま、イメージイメージ。
 芹沢と時生が二人の世界作りまくりなので、なるほどこれは腐女子の餌食だわ、と。
 ラストバトル、雨降らしてフィルターかけてたけど、日が差しているのがもろわかりなのが残念。
 1と2じゃアクション担当が変わったという話だったけど、確かになんか違う。1のほうが早回し&スローを駆使してテンポを演出している。2のほうがべたっと生っぽく撮っている。個人的にはあまりテンポをいじるのは好きじゃないな。
 うん。仲間を集めてのし上がっていく面白さがあったね。2は戦いの後の爽快さがあったけど。ま、それぞれということで。
2009年11月17日(火) (感想::映画・DVD)

映画「サマー・ウォーズ」

 えらく季節はずれの感がありますが、おととい見てきました。
 監督の前作の「時をかける少女」は見ていないけど評判は聞いていたし、この作品も色々意見在るけど全体に好評だし……でも他にも見たい映画はあって、そういうのはだいたい単館系で2週間しかやらないようなのばかりで、ロングランしてる作品は後回しにしていたら、いよいよ終了らしいということで。

 ええ、面白かったですよ。
 日本のアニメ映画見るのってハガレン以来かな。久しぶり。
 主役の声を神木くんなのはいいとして、ヒロインの先輩役が素人ぽかったのと、武闘派の少年が明らかに女の子声だったのがちと気になったけど、その他はおーるおっけー。
 日本家屋の大家族っていいねえ。苦労も多そうだけど。
 わさわさ出てくるキャラの関係性が把握しきれなかったので、見終わってからパンフ買って家系図確認(笑)
 おばあ様カッコイイよおばあ様。笑うと歯無しでキュートだけど。
 降って湧いた危機に、普段は女性陣の尻に敷かれてる感のある男どもが奮起してるようすがいとかわゆし。
 特に、「ちょっと言えない部署だなあ(はあと)」な自衛隊員さん格好いいよコン畜生。
 泣かせどころもあったしね。隣の席のカップルの女の子の泣き声もれまくり。

 なんか、立派なお屋敷の瓦屋根にBSのアンテナが設置してある、そんな生活感のある描写が妙にツボに入ってしまったですよ。
 ……なんか、ダンナと一緒に見たかったなあ。
2009年11月04日(水) (感想::映画・DVD)

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