++たらたら日記++

現在絶賛放置中。
感想等は基本毒吐き。
サイドメニューはプルダウン式です。
最近、コメントの表示に若干の不具合が出ていますが、
管理人にはきちんと届いています。

U.S.インターナショナル男子結果

マイナーさん、台乗りおめでとうございます。

USAも若手台頭してきたから、もう地元ワールドに出られる可能性は低いかもしれないけれど、今もまだ滑っていてくれることがうれしい。
2015年09月19日(土) (フィギュアスケート)

町田氏引退に伴う脳内垂れ流し

久しぶりの長文がこれかよ、という。
とにかくキモいキモい文章なので、閲覧注意。
自分でも読み返せないわ、キモくて。

半年前の記事でね。
あれだけ散々書いておいて、自分のこと町田ファンだと思っていなかったんですよ。
気になり具合がほかの選手より少しだけ高いだけだと。
ろくに試合の視聴を消化していないのに、彼の演技だけは繰り返し見て。
ニュース映像はがっちり押さえて。
何度も夢に見て。
ソチ後に乱立した各種2chのスレもあれこれROMして。
PIWでは100枚くらい写真撮って。
画像フォルダはパンパンになって。
表紙の雑誌は指紋が付かないようにそっと端を持つようにして。
自分の中では、綾野さんに次ぐ「美しい人」カテゴリだな、と内心つぶやいて。
それでも、ファンだなんて思ってなかった。
ファンという責任ある立場から離れていたかった。

それが。
グランプリファイナルで、仕事あるから何も見ずに寝て、起きて。
ツイッターのタイムラインと2chの実況見て結果を知って。
胸が痛くて。
そして、一瞬がっかりしてしまった自分自身に対して湧いた怒りと反省の気持ち。
それらを鑑みるに、ああ、自分はファンなんだと。
たぶん周りから見れば何をいまさらだったろうけれど、ようやく自覚した。

いつからか、と言えば、昨季のスケアメインタの頃からなんだろうけど、思い返してみれば、2012年のドリームオンアイスのロシュフォールでスタオベしたときに確実に心の一部は奪われていて、さらに思い返すと、2011年のプリンスアイスワールドのドンストで3Aの高さに驚嘆し、ふれあいで素敵な写真を撮らせてくれたときから、意識するようになった気がする。(ちなみにドンストは2011PIW、N杯EX、MOI、神戸チャリティと4回生で見ている。神戸ではエアギターが目の前でドキドキした)

……ここまで書いて、なんだか続きに詰まって、一服して、半年前の自分の記事を読み返してみて、どこをどう見てもただのファンじゃないかと笑えてきた。
よくもまあこれで「別にファンじゃないし」とか思っていたものだわ。

……うん、町田氏の情念ドバドバの演技に引き込まれていた一方で、心のどこかでなにかこう「おいてきぼり」感を覚えていた、ということはあるかもしれない。
それもまた、ずっと自覚はしていなかったんだけど、GPFの直後に読んだ、ある方のブログで、町田氏が芸術を追い求める余り孤高となっているというようなことが書かれていてストンと胸に落ちて。
孤高かどうかはともかく、少なくとも自分は、なんかもう演技の情感がすごすぎて毎度毎度ふわあああっとなる一方で、自分の感情とか感覚が追いついていけないもどかしさのような何かを感じ続けていたような気がする。それは町田氏のせいじゃなくて、私の責任なんだろうけれど。私のあれこれが足りないからなんだろうけど。

ああもう。
町田氏について語ろうとすると語彙が足りない。
絵も描けないし、手芸も出来ない自分が、自分が好きな対象について何か表現するための手段は言葉しかなくて。
文章はまあ人並みに扱えるつもりでいたのに、町田氏に関してはどうにも表現が追いつかなくて、もどかしい。
演技の前、仙界に棲むもののように氷の上に佇む姿。
演技中、何か大きな意思とコネクトし、その動きで奔流を生み出しているようす。
演技後、四方に視線を投げながら、賞賛の声をすくい上げるように礼をし、どこか遠くを見ているような姿。
それらを言葉でとらまえようとして、できなくて、ほとんど絶望的気分。
どうしようもなく、自分の先にいる人。
何かを感じ、言葉にするものとしての私の矜持を、その演技とその言動で打ちこわし、それゆえどうしようもない憧れと、どうしようもない焦りと劣等感を私に抱かせる人。

あの日。28日の朝、私はまさに自分の言葉が及ばないことの絶望感に打ちひしがれていた。
タイムラインを流れるツイートで、SPで涙しFSで周囲に感謝の念を述べる町田氏について違和感と不快の念を述べるものがあり、それに反発して、町田氏が常に観衆に見せようとする超然とした姿と全日本での違いに言及しようとして、表現することが出来ずに愕然としてしまった。

27日の夜。通常「地上波はCMが嫌なのでBSかCSまで待つ派」なのだけれど、我慢しきれなくなってテレビをつけて、ちょうど小塚選手の演技が始まるところだった。
若干着氷が詰まりながらも、一つ、一つ、要素をこなしていく。
去年意地を見せながらも涙の結果となったこと、突然のWCに食いついていったこと、春のSOIのSOSに泣かされたこと、JOの不調、それらが頭をグルグルしながら、どうかこのままと祈っていた。2011モスクワでも、どうかこのままと祈ったことを思い出しながら。
小塚選手らしからぬ激しいガッツポーズと、佐藤夫妻のモスクワ再来のガッツポーズに涙を禁じえなかった。
興奮冷めやらぬ中、点数を待つあいだ、町田選手が氷の上にあらわれた。
小塚選手に良い点が出て上の順位に行って欲しい、けどそれは他の選手の順位を下げることにつながるのだと、なんとも残酷だと言う思いを抱いた。

この2シーズン、試合前の町田選手は大きなことしか言わなくて、全日本で第九の完成形を見せると常々言っていたけれど、わずか2週間前のこともあり、正直安心はしていなかった。
冒頭、流れない着氷と、転倒(悲鳴で横のダンナを驚かせてしまった。スマン)
ああやっぱり完成形は見せられなかった、とまず思い、点数・順位・チャンピオンシップへの派遣のことなどが頭を回ったけれど、不思議にそれらが消えていった。
完成した演技ではないけれど、見ているうちに頭から雑念が抜け落ちていく。この2年町田氏の演技を見ていて初めて無心でその世界に入り込んでいけた気がした。
いつも先に先に進んでいた町田氏がこちらを振り返りそっと待っていてくれているような不思議な気分だった。
舞いながら町田氏は微笑んでいた。歓喜の歌。
なぜか実況解説も入らず、音楽と、滑りと、見つめている自分の鼓動だけ。
滑り終えて、町田氏はうなずいた。
どこか納得したようなうなずきだった。
そのうなずきに、自分のひときわ大きな鼓動が重なった気がした。
とうとう追いついた。いや、追いつかせてもらった。そう思った。
点数も、順位も、派遣のことも、あまり頭に無かった。
やっと、添うことができたと。その静かな喜びを抱きしめていた。

その次の日、町田氏は、ぽん、とその先に行ってしまった。
もう、自分のような立場のものでは追うことも、見守ることも出来ないところへ、軽やかに旅立ってしまった。

町田氏は綿密に、入念に計画し、実行していた。
ほとんど誰にも知られること無く。

私は、数十年来の二次元オタで、スケートと言う筋書きのないドラマに足を踏み込んで以来、選手や演技をキャラクターやコンテンツのように消費しないように自らを戒めてきたつもりだけれど、選手の…人一人の内面を斟酌することの無意味さを痛感させられることとなってしまった。

彼の行動は鮮やか過ぎて、いさぎよすぎて、美しすぎて、ただ感嘆し、納得し、幸多かれと祈ることしかできなかった。
ただ、丸一日たって、追いついたと思ったのに、結局取り残されたんだなと気づいた瞬間、馬鹿のように大声を上げて泣き続けた。

今、自分の頭の中を「一期一会」という言葉がリフレインしている。
スケートに限らず、ありとあらゆることは、次があるとは限らないんだろう。

でもね、町田先生、またいつか(できれば早いうちに)また演技を見せてください。
2015年01月01日(木) (フィギュアスケート)

今さら今さら大阪四大陸 エキシビション編

 2013年2月11日
 仕事の都合で1日飛ばしてエキシビション観覧。
 駅からの通路に掲示されてる大きな浅田さんの広告パネルを見るのも3回目。
 2日間非日常な祝祭空間というかハレの空気にどっぷり浸かったけれど、一日仕事を挟んだので、気分がケの世界に引き戻されてしまったまま会場に足を向ける。
 入場口のところで、学生時代の友人でニワカの自分じゃ及びもつかない筋金入りのフィギュアファンとばったり。
 テサモエに何が起こったのか聞いてみたり。

 今回の席はいわゆる審判側のロングサイドの端かつ上の方。あそこはわりとどこでも見やすいです。

 エキシ招待選手の選出については、まあいろいろ声も出たし、今さら何か言うのもなんだけど、やっぱ「リッキーのエキシとか見たかったよぉ!」
 さて、その盛り上げ要員として選ばれたであろうバルデは、バックフリップなどで会場をしっかりと温め、その責務を果たしました。
 やれ、よかったと思っていたら、近くから「あれ、誰?」「やっぱり(滑走順の)紙をもらってこなくちゃいけないかな」と声が聞こえてきて、頭抱えそうになりました(汗)
 もひとり、ミーシャ。
 曲が他の出演者と被ってるのはしょうがないとして、自分と反対側のサイドの観客ばかり向いて踊りまくっていて、あまりこちらに来てくれなかった。陸上ダンスならそれでもいいんだろうけどな……

 ハンヤンは気が付くと一回転ジャンプばかりだった。そういうプロなのか、調子が悪かったのかはよくわからないけれど、スルスルとした滑りを堪能できたのでOK。お花のくだりは自分の席からはよくわかりませんでした。

 ケヴィンが氷上にあらわれると、まわりが「風?」「風って書いてある?」とザワザワ。
 ジャンッと三味線の音が響き渡ると、しんと静まり返りました。
 ケヴィンがエキシに出場(しかも金メダリストとして)するとは、その2日前まで思っている人はほとんどいなかっただろうけど(ゆえに、あわててチケット探す人が続出したのだけれど)、日本でこの純和風なプロをお披露目できてよかったね、という思い。

 男子しか書かなくてごめんなさい。ツイッターで記録残してない人はもう記憶があやふやなのです。

 フィナーレ後のケヴィンひとりスピン大会は、見に行った者だけのお楽しみですかね。
 たしか最初のは、フィナーレで周回した後、選手がリンクを上がって、でも金メダリストの記念撮影するよーってなったのに、浅田さんやメリチャリがわりと先に上がってて、出入口ごった返しているからかなかなか戻ってこれなくて、間を持たせるために(たぶんカナダの誰かが声をかけて)ケヴィンが出てきたように思う。
 クワドキングの登場に、観客は当然ジャンプを期待したんだけど、スピンだけして帰っていくケヴィン(笑)
 実は前からケヴィンのスピンは大好物だったので私的にはごちそうでした。
 2度目は、たしか、フェンス際の観客が何かリンクに落としたのを拾いに出て、歓声を浴びて引っ込みがつかなくなったのではなかったかと。
 ぎゅるんぎゅるんと百回は回っていた気がする。
 3回目は……もうシチュエーション覚えてないや(笑)
 今度は手のふりを付けたバリエーション。
 さすがに膝をついてゼーハーしていたケヴィン。
 漂う良い人感が半端なかったです。

 はあー、1年余経ってやっと書けた〜。
2014年06月04日(水) (フィギュアスケート)

今さら今さら大阪四大陸女子SP男子フリー編

 2013年2月9日
 四大陸女子ショート、男子フリー観戦

 縁あって、人生初のアリーナ席での観戦。
 ネットでの知り合いをナンパして、ご一緒していただきました。
 なんかこう、普通のスタンド席とは雰囲気が違うというか、最前列の人たちが足元やフェンスのとこに花束がぎっしりと詰まった袋を置いていたりして、準備万端って感じ。
 演技全体を見るにはスタンドのほうが良い、とは思いました。
 リンクの使い方とか、どんな要素を行っているのか全体が見える方がいいし。
 近すぎると、フェンスで下半身が見えないのですよ。
 あっこちゃんのキルビルの超カッコいいハイドロが見えなかったのが無茶苦茶残念。
 でも、近いとなんだか興奮度が違う。
 今まで、人気選手の演技中に客席に近づくだけで歓声が上がる様子を、ついつい笑っておりましたが、実際アリーナに座ると、選手が良い演技をしていると近くに来た時に快哉を叫ばずにはいられない。「いいぞ!」という気持ちを伝えようとせずにはいられない。
 これは実際にその場に身を置いてみないとわからないことでした。

 女子はとにかくみんな綺麗でかわいかった。
 衣装も素敵。
 とにかくキラッキラでふあああ〜となった。
 特にジジュンちゃん。
 演技を始める前にコーチと何か話していて、急にぷくっと頬をふくらましてから笑ったのがあまりにも可愛らしくて卒倒するかと思った。
 あと、演技後、客席から一輪の薔薇を受け取った選手がいて、なんか素敵だなと思ったけど、後日、だんな様からだと知りました。
 女子の話はほぼ省略でごめんなさい。
 日本人三人娘大活躍でした。
 かなこちゃんの新衣装、若草色とピンクのグラデーション、桜餅説もあるようでしたが、私はきれいで好きだと思いました。
 あっこちゃんはハイドロが見られなかった〜(まだ言うか)
 そして浅田さん。さんざんこき下ろされていた肌襦袢は、生で見るとそれほど気にならなかった。
 それまで長らく封印していた3Aの解禁、ということで、会場は静かな興奮に包まれていましたが、成功の瞬間大歓声。キスクラで泣きそうでしたね、浅田さん。

 さて、男子。
 の話の前に。

 自分から見て斜め上に位置するスタンドの一角に、白いバナータオルと風船バット(?)を手にした揃いの縞法被の人たちが、きっちりと四角く占拠していらっしゃいました。
 たぶん阪神の応援団の方々が迷って来られたのだと思います。どうやってチケット調達したんでしょうね。

 それから……
 うん、嫌な話は先にかたづけてしまおう。

 私の左隣の席2つは女子の間空席で、男子になってから来られました。
 なんか身じろぎせず前向いていて、なんか違和感。
 選手の動きに合わせて、顔や視線って動くものじゃないですか。
 ……と思ったら、まもなく二人とも爆睡。
 いや、自分も試合で眠気にとらわれた経験ありなので偉そうなことはいえないけど。
 下位グループだってこんな素敵な演技なのにもったいないな、と、イーワンくんの素敵ジャンプを見ながら思ったことであります。
 で、目覚めた後は、ひたすら選手や審判、フラワーガール、観客などに対して文句を言ってました。
 まあたしかにフラワーガールさんたちはちょっと頑張りすぎていて、観客が選手に拾ってもらおうとわざわざその前に落ちるように投げても、さーっと横取りするように拾っていくのはどうかと思ったけど、さ。
 とにかく横からぶいぶい吹いてくる悪意の風を、自分の体でせき止められればいいな、右隣まで届かなきゃいいなと、そんなことばかり思ってました。
 ほぼすべての上位選手に対して文句言いまくりだったので、誰のファンで誰のアンチだったかもわからない。
 せっかくこんな良い席なのに、楽しめないなんてもったいないなあ、とそれだけ。
 いままでどんなショーや試合に行っても、他の観客で不愉快な経験をしたことが無かったので、なかなか強烈でした。

 さて、と。
 さきに厄落としをしておいて、と。

 男子の試合ですよ男子。
 もちろん国旗振りまくりでしたとも。
 自分の席は選手のリンクへの出入り口が近かったので、演技を終えて戻ってくる選手の眼に必ず入るだろう、と感謝と労いの意を込めてブンブン揺らしました。

 以下、やっつけ箇条書き。

 オーストラリアのギムナジウム系美少年ことケリーくんは、もう青年に成長してました。うーん、なかなか会心の滑りとはいかないようです。
 もう一人、初めて見るオーストラリアの選手も美形だった。なんでや。顔審査あるんか。

 SP終了後、頭抱えていたバルデくんは、グレーパーカー衣装のMJでノリノリ。個性に合ってます。

 イーワンくんのジャンプはやっぱりなんか好きだー、と思った。

 韓国の三人衆は個性それぞれでしたが、一番印象に残ったのはキム・ジンソくん。
 ジャンプというジャンプがド根性降りでしたが(笑)
 シルクドソレイユの盛り上がる曲に合わせて、情熱的に体を動かし、見ていて胸の中を揺すぶられました。
 後日放送を見ると確かにあまり足元滑っていないし、ステップノーカンくらってるのですが(苦笑)、見ているものを巻き込む力がありました。
 そして演技後、太極旗を振っているところをカメラに抜かれた私(苦笑)。どうせならチャイニーズタイペイとか珍しい旗で抜いてほしかった。

 フィリピンのマルチネスくんはショートほど良い出来ではなかった気がするけど、たくさんの花が投げ込まれていました。スケオタ、反応が早い。
 そしてカルーザくんは美しい青い衣装に風をはらませ、とても気持ちの良い滑りでした。
 本人も会心の出来だったのか、終わって泣き出してしまい、温かい拍手に包まれました。

 さてさて。
 この大阪四大陸で特に応援していたのはマイナーさんだと前に書きましたが、一応プレゼントを用意していました。
 ネットで注文したところ、思ったより日数がかかるとわかり、幸い試合直前に直帰できる大阪出張が入ったので駅ビルで別途購入。初日に受付に預けてきました。
 で、ダンナの実家(会場から電車で小一時間)に帰ると注文の品が到着(日中留守にすることが多いので、普段から荷物を実家送りにしてることが多い)。
 一応、念のためにラッピンググッズは持参。
 ……これはもしかして、投げ込みできるかも、という野望がむくむくと。

 というわけで、この日、国旗とともにマイナーさんへのプレゼント(別にご当地Tシャツではなく、いまばりスポーツタオル)を持参。
 自分の席はアリーナとはいっても後ろの方で、投げて届かせるのはどう見ても無理。
 また、列の中のほうなので、通路に出ようとすると何人もの前を通らなければならない。
 事前にマナースレなど読んで、席が中ほどの場合は最前列の人に預けるか、事前に周囲に断りを入れておくべき、ということだったので、休憩中に自分の席から通路までの人たち全員に「次のグループでマイナー選手にプレゼントを渡したいので前を通らせてもらっていいですか」とお願いしました。

 さて。
 なんだかすごくドキドキしてきて、直前のミーシャの演技があまり頭に入らなかったですよごめんなさい。んでもミーシャ、減点とわかって違反をするのはやっぱりいただけないなあ。
 で。
 マイナーさんはやっぱり直前までとても硬い表情で。でもコーチに向ける真剣な表情を正面から目の当たりにして、やっぱカッコイイ、でも心配、などと複雑気分。
 4Sの抜けは覚悟していましたが、いきなり完全に潰れるとは思ってなくて、もう見ていて完全に浮き足立ちました。鉄板のはずの3Aまで……!
 でも途中からはしっかりと要素を決めていき、3-1-3も成功したときは泣きそうになりました。
 終わったとき、マイナーさんはがっくりとした表情でしたが、私は「よく持ち直した!」と叫びました。
 まずはお辞儀のタイミングで見えるように国旗を振ることを優先。
 投げ込みは本人リンク上がってからでも、次の選手が滑り始めるまでに放り込んでおけばフラワーガールが拾ってくれるでしょ。でも本人が不本意な出来の時にプレゼント渡すというのもどうなのかなあ。
 ていうか、ラッピングのリボン結ぶの忘れていたよ、とゴソゴソしていると、横から「早く」「早く」「急いで」と声が。
 顔を上げるとマイナーさんがすーっとこちらへ向かってくる。
 あれ?私は投げ込めればいいやと思っていたんだけど、もしかして手渡し間に合わないよーってこと?
 あわてて皆さんの前を通らせてもらい、がに股で段を駆け下りる。足元がばいんばいんと音を立て、ああ、急ごしらえのアリーナだからベニヤ板だなあ、などと頭の隅で考えている。
 フェンス前まで来ると、すでにマイナーさんは通り過ぎかけていたけれど、袋を差し出すと、振り返り手を伸ばしてくれた。
 ぽふ、と手渡した。
 席に駆け戻ると、「よかったね」「渡せてよかったね」と声をかけられて恥ずかしかった。
 仁義は通しておくものです(笑)
 いや、みなさんありがとうございました。

 さて、長々と個人的体験をすみませんでした。

 以下、しばらくはまた箇条書き。

 無良くんはSPもそうでしたが、フェンスギリギリでひやっとするタイミングが。ちょっともったいない出来でした。

 ドーンブッシュはSPはちょっと残念だったのですが、FSは良い感じで「リッキー、やればできる子!」と叫びました。

 テンくんは……いつぞやのGPSでもそういったことがあったようですが、転倒だらけで……。でも決して腐らずあきらめず、最後までプログラムを滑り通そうという気概が伝わってきて、胸に迫りました。立派だと思いました。

 ハンヤンは最初のジャンプで腕を叩きつけるように転倒し、そのあとずっと恐い顔をしていました。重々しい、笑顔で滑るような曲ではないのは確かなのですが、もしかしたら腕を痛めたのではないかと心配になりました。

 羽生くんは本人比、ちょっと気合いが空回っていたかなあ、と。

 そしてケヴィン。
 その前のシーズンの国別でも感じたのですが、生で見ると氷の上に自分の空気を作ることができるのだなあと。
 あまり聞きなれない曲ですが、メロディーの移り変わり、盛り上がりの、ここでこういう動きが欲しい、と思う気持ちにぴったりの動きが重なって、とても快感でした。
 どの動きもケヴィンの長い手足を存分に生かし、衣装も彼の上品さを引き立てていました。
 これはすばらしい。これはスタオベに値する演技だ、と確信していました。
 場内にうずうずとした空気が満ち。
 終わった瞬間、膝の上に乗せていた国旗から何から全部落っことして跳ねるように立ち上がり(苦笑)、力の限り拍手し、歓声を上げました。
 こちらへと向かってくる彼に「ケヴィーン!!」と叫ばずにはいられませんでした。
 ケヴィンの場合、見た目はパーフェクトでも、回転不足のために点数が驚くほど低いということがままあるので、一応覚悟して点数を待ちました。催促の拍手の中を。
 点数は素晴らしいもので、回転が認められたんだ!と口走りました。とうとう、やっと、このチャンピオンシップの舞台で。

 場内の興奮冷めやらぬ中、高橋選手をコールするアナウンスが流れ、ハッとしました。
 自分だけではなく、多くの人がそのときまで高橋選手に意識を向けていなかったような気がします。
 私がそれまでに見た限りでは、高橋選手が氷の上に出た瞬間、観客の意識は彼に集中し、直線に滑った選手が点数待ちであろうと、点数アナウンス中であろうと、大ちゃんコールと声援が場内を支配していて、正直、前の選手にちょっと失礼じゃなかろうかと思わなくもなかった。
 それが、このときはケヴィンの演技が観客の心をつかんで離さなかった。
 無論、コール後は大声援を受けた訳ですが。
 最初の両足着氷は、まあ想定の範囲だった。
 けれど、度重なるミス。
 まるでスローモーションのように目に映るその動きは、まるで踏ん張りが効かない様で、どこか痛めたのではないかと心配した。……むしろ、ケガのようにはっきりとわかりやすい原因があるほうが理解できた。
 何も取り戻せぬまま、終わってしまった演技。
 点数が出たときの「エーッ」という声は決して不満ではないと思います。点数は出ないだろうとわかっていて、覚悟していて、それでも覚悟以上に、あまりにも低すぎる点数に驚く声だったかと。

 正直、ナンソンの演技はあまり頭に入りませんでした。ごめんなさい。

 かくして男子終了。
 セレモニーを待たずに席を立った人が相当数いましたが、まあ仕方がないかと。休憩中に何度も流れた電車の終電の案内で、結構早めに電車が終わることが周知されていたし、それこそ日帰りで帰る人はタイムリミットがあっただろうし。
 でも、もし高橋選手が表彰台に上っていたら、もう少し残っている人が多かったのではないかと意地悪な気持ちになってしまったことは事実です。

 ともあれ、いい感じに場内がすいたので、インタビューが見られる位置に移動。
 バスン、バスンと場内の照明が落ち、スポットの当たるキスクラを横から覗き込みました。
 ケヴィンの細い首筋は、光を受けて白く輝いていました。
 キスクラを取り囲んだ観客たちは「ケヴィン、おめでとー」「おめでとー」と叫びました。私も叫びました。

 パトさんファンの私が同じカナダのケヴィンを祝福することを不思議に思う人もいるかもしれませんが、私にとってケヴィンはパトリックのライバルであるという以上にカナダ男子を支える同胞であるという意識の方が強いのです。それにカナダ国内でパトリック推しの空気が強くケヴィンがやや不遇な扱いだったこと。彼が物静かに、けれど頑固に高難度の構成に挑み続け、表現についても磨きをかけ続けてきたことを思うと、祝福せずにいられるでしょうか。
 それに、国内一強より、複数の強豪がいた方が、圧し掛かる重圧を分け合えるのではないかと。

 物静かに柔らかく笑みながら、SPの回転不足を一日の練習で調整したとかサラリと言っちゃうケヴィン。世界選手権への抱負で、今までの彼の成績からすると高い、しかしこの日の彼の演技からすると決して夢物語ではない目標を、穏やかな自信をのぞかせながら口にするケヴィン。最後の日本語のあいさつを聞いた観客の歓声の大きさは、テレビでは伝わりきれていませんでした。

 続いて表彰式。
 これまた人が少ないのをいいことに、フェンスに張り付いて見物。
 全体に仏頂面で、握手を忘れたりしていたハンヤン。あれで緊張していたのかも。
 ときどきチラリと照れと笑顔が浮かんで、もしかしてニコニコするのが自分のキャラじゃないとか思ってるのかしら、なんて。とにかくなんやかやでかわいい。
 羽生くんは嬉しさと悔しさ半々か悔しさ勝っているのではないかと思えど、表彰台では笑顔。
 そして、白く輝きながら穏やかに微笑むケヴィンに、菩薩様を拝んでいるような気持になりました。
 パトさんがいない表彰台でオー、カナダを聞くなんて……と感慨にふけってしまった。

 ウイニングランで、スイスイと滑ってさっさと上がるハンヤン(苦笑)
 ケヴィンは声援にじっくり応えながら回っていました。
 ここでも間近でおめでとうと言えて満足。ケヴィンだから日本語でいいよね(笑)
 その気になればハイタッチもできたけど、それはさすがに遠慮しました。

 夢見心地で外に出て、iPhoneでさっそくプロトコルを確認。ご一緒頂いた方と「ケヴィンの3Aに加点が付いてる!!」と文字通り小躍りしたのも良い思い出。
2014年06月02日(月) (フィギュアスケート)

今さら今さら大阪四大陸ア・ペ・男ショート編

 やっぱり書くと長くなるんだよな、自分。

 今年のあれこれを書く前に、もう一年以上経っているけれど、これだけは吐き出しておきたい。
 大阪四大陸観戦のこと。
 細かく書きたいと思うとどうしても心理的に負担になって書けなかったので、一年過ぎてまだ脳にこびりついていることだけを。

 2013年2月8日。
 ペア・アイスダンス・男子ショートの日。
 ショートサイドの中段くらいというなかなかの良席。
 ご近所は感じの良いご婦人ばかり。
 天井カメラの発着点が近くてうるさかったことだけが難点かな。
 キスクラの様子もよく見えたし。
 一組一組スチルカメラに収めている人がいて、選手とコーチがポーズ取ってるのになごんだ。

 ペア・アイスダンスについてはあまり知らなくて、ゆえにあまり覚えてなくてごめんなさい。
 アイスダンスの良し悪しとかわからなくて、点の出方もさっぱりわからんかったけど、初めに出てきたカップルたちより、後の人たちのほうが、早くプログラムが終わる気がした。
 ペアは怪我で棄権組もあって、出場組数少なくてあっという間に終わった。
 ペンちゃんとハオ・ジャンの組(当時はまだ名前覚えてなくて「いがぐり」と新しいパートナーというネットで得た知識しかなかった)が終了後、キスクラでペンちゃんが甲斐甲斐しくジャージを渡したんだけど、どうやら逆だったらしく、取り替えて着ていたのを覚えている。

 男子は、持参した国旗を6分間練習の間に滑走順表を見ながら順番に並べ替えて、日本以外の全部振ってた。
 練習ろくに見られなかったことはもったいなかった。

 まず最初に印象深かったのは、フィリピンのマルチネスくん。
 フィギュアを見始めてすぐの頃から、フィリピンにスピンの上手なジュニアがいるという話は聞いていて、コロラド四大陸のカルーザくんを見たとき、彼のことだと思い込んでしまった。
 よく考えると、年齢もあわないし、アメリカ選手だったからそんなはずはないのにね。彼も体柔らかいし溌剌と若々しいから、つい。
 なので、マルチネスくんの名前を見て、フィリピンにはカルーザ君の他にも選手いるんだ、くらいの認識だった。
 で。
 ジャンプの前に毎回なぜかわざわざスピードを落としているのがもったいない感じだったけど、その他の技がすごかった。
 次から次へと繰り出される軟体技に客席は盛り上がり、最後のビールマンスピンに大歓声。その日最初のスタオベが起きた。
 私は、そうか、噂のフィリピンジュニアって彼のことだったのかと今さら気が付いた。

 そのカルーザ君なんだけど、ショートの演技は今一つ覚えていない。たぶんそれほど良くはなかったんだと思う。

 第2グループくらいまでは、ほのぼのと、とにかく演技がんばれ〜という気持ちで見ていたけど、第3グループあたりから6分間練習での滑りがグンとよくなってくる。
 試合……点数を争う競技なんだというピリピリとした空気も漂い始める。
 日本人選手が出てくると、応援合戦のような雰囲気になって、圧迫感さえ漂い始め、他の国の選手たちに申し訳ない感じがした。
 ショートサイドに座っていると、練習ですぐ目の前でビッグジャンプを跳んでくる選手が多くて、やっぱりここ良い席だなあとしみじみした。

 ところで、後日、「選手が滑ってるときのコーチ(モロゾフ氏やオーサー氏)の様子はどうだった?」と聞かれたけれど、選手見るのに一所懸命で、コーチの反応どころじゃないです、マジで。

 カザフスタンとウズベキスタンの国旗に注文殺到して品薄状態になったという(自分もカザフのが遅れて焦った)。
 そのカザフのアブザルは、生で見ると意外なほどスタイルが良くて、チャーミング。
 で、テン君はカザフカラーのクッションをもらってましたっけ。
 日本大好きミーシャ・ジーは、このたび念願の日本の試合。スパニッシュな曲で、相変わらずステップで客席を巻き込んで盛り上げていた。
 スケーターって氷の上では大きく見えるのに、リンクを降りると意外なほど小さい、ということがよくあるのだけれど、ミーシャは逆で、生で見るとこんなに大きい(というか嵩高い)っけ、と思った。童顔なのと、髪の毛がぼわんぼわんで頭大きく見えて、頭身が低く見えちゃうんだろう、たぶん。

 実はこのとき、敢えて誰を応援しているのかといえば、アメリカのロス・マイナー選手だった。
 札幌N杯でピッカピカの笑顔と北海道Tシャツを生で見てしまったら、応援せざるを得ませんて。
 12-13シーズンのN杯でも会心の演技で銅メダルをまた増やしていたマイナーさんなんだけれど……。事前練習のレポではかなり調子が悪そうという声が流れてきていた。
 6分間練習ではとても表情が硬く、何度もコーチのそばに寄っていっては何か話していた。でもそんな顔も男らしくてカッコイイとか思ってしまうのだから我ながらしょうがない。
 冒頭の4回転予定が2回転になったときは正直ああやっぱり、と思った。なんだか歯車が微妙に噛みあわなくなってしまっているような印象を受けた。
 キスクラでも硬い顔だったけれど、カメラを向けられたときにパアッと、ほんとにその場が輝くような笑顔を見せて、うわっとなった。やっぱりマイナーさんの笑顔好きなんですよ。
 ジャンプの抜けはあっても点数は高く出たのは、滑りの良さやステップ、スピンの質なんでしょうな。

 えーと、他に男子ショートで印象的だったこと……。

 イーワン君のジャンプはたぶんこの試合最初の4回転だった気がする。スパンと上に上がるジャンプがかっこよくて、衣装が体形によく似合っていて、なんか好きだと思った。

 パトさんの滑りに質が似ているという話を聞いていたハンヤンだけど、彼の滑りは磁石で引っ張られているようにシューッという感じ。靴にジェット噴射機をつけているようなパトリックのゴウゴウという滑りとはまたちょっと違う。

 羽生君は6分間練習のときにつんのめるような変なコケ方をして、かなりヒヤッとした。
 
 レイノルズは点数があまり出なくて、「エー」という声が客席から上がったけど、本人は静かにうんうんと頷いて納得しているようだった。国別でもこういう表情だったなと思った。ジャンプ刺さったんだろうし、そこはわかってるんだろうな、と。

 ナンソンはGPSで衝突・怪我という不運に見舞われていて、どんな調子だろうとハラハラして見ていたんだけど、とてもよく動いていて、力強く、格好良かった。
 滑り終わった直後、あのいかにもおとなしげなナンソンが、氷を叩いて喜びを爆発させる姿に胸がグッと来た。

 ああ、ほら、9日の話を書くまでたどり着かない。
2014年05月22日(木) (フィギュアスケート)

人はそれを沼というらしい

 フィギュア日本人選手については、特に誰をひいきという立場は取ってこなかったつもりでした。
 (……羽生くんをちょっぴり応援していた時期が無いわけではないのだけれど、ニースワールドで気持ちが昇華されたというかなんというか)
 誰かを応援するしないではなく、目の前の選手に声援を送ってきたつもりでした。
 でも13-14シーズンになって、とりわけ町田選手にどうしようもなく目が行くようになってしまいました。
 語録の所為、といえば、きっとそうなんでしょう。
 でも自分にとって所謂語録は笑えるネタではありませんでした。むしろ妙に共感し、すんなりと入ってくるものでした。自分もわりとポエミーだったり熟語使ったりする方なので(笑)
 四字熟語とかね、伊達に千年二千年の時を使われてるわけじゃなくて、使いどころを間違わなければ、簡潔かつ具体的に深く状況や心理を表現することができる。
 それに長い長いと言われるまっちーのインタで、四字熟語の語句としてのかっちりとした重たさはセンテンスの中で強弱を生み、全体をリズミカルにして聞きやすくすることに貢献している。と、思うのであります。
 まあとにかく、とにかく今シーズンは目を離せなくて。
 気が付くとずっと追っていて。
 大言壮語ではなく有言実行とする彼を追わずにいられなくて。
 全日本のフリーを見終わって泣いている自分がいました。

 全日本後の代表選手発表で……こういうことを書くのは本当はいけないのでしょうが、正直、自分はちょっと暗黒面に落ちかけました。
 選手は悪くない、けど。
 高橋選手の血に濡れたフリーはただただ美しいと思った、けど。
 けど……
 ……醜い思いに囚われていた私を、町田選手の出るからにはメダルを狙うという言葉がなぜか掬い上げてくれました。

 手元のiPhoneに、2011年5月のPIWで撮影した1枚の町田選手の写真があります。
 そのとき私は羽生くんがお目当てで、プレゼントも渡して。震災直後だったので羽生くんは本当に花とプレゼントにまみれ、写真も撮られまくりで、自分は緊張のあまりろくに撮れなくて。
 iPhoneを手にちょっとしょんぼりしていると、若干所在無げな様子で回ってきていた町田選手が、すっと、それは美しい立ち姿でポーズを取ってくれて、撮り収めました。
 「黒い瞳」薔薇ボトム衣装のそれは、間違いなくその日撮った中で一番よい写真でした。
 正直その頃は名前くらいしか知らなくて、でもその時見たドンストがとても楽しくて、3Aの高さにびっくりして。
 今思えば、意識し始めた最初でした。
 今シーズンになって、何度もその時の写真を見返しました。穏やかに柔らかく微笑む彼と、どんどんと精悍さを増していく、猛禽の眼をした彼が同一人物なのかとその都度不思議に思いました。
 でも、たぶん自分を追い込んで追い込んで追い込んだ五輪の試合が終わった後、町田選手の表情はふっとほどけて、柔らかさを湛え始めました。

 それからひと月後、世界選手権ペア&男子SPを生観戦しました。
 (本当はFSやEXのチケットを持っていたのだけれど、仕事の都合で断念)
 パトリックのいない世界選手権だったけれど、世界のいろいろな選手を見られるのはやはり楽しみだったし……町田選手を見ることがモチベーションになっていたことは否めない。

 ワールド観戦については、また別立てで書けたらいいのですが。

 あのエデンの東を会場で見られたことは、大阪四大陸でケヴィンのFSを見たことと同様に、私の財産となるでしょう。
 完璧な四回転三回転と、完璧な3Aの後、祈るように息をつめて曲を追っていました。
 ルッツがどうなるか……それが心にかかって。
 五輪SPでルッツを失敗したこと。たらればは良くないけれど、それが無ければメダルが取れたかもしれない。直後のインタで自分への怒りをあらわにし、後日、練習で飛ぶたびに心が痛み、失恋のようなものだと語っていたまっちー。
 どうか成功してくれ、心の傷を払拭してくれ、と祈っていたのは私だけではなかったはず。
 3lzが成功した瞬間の、雷のような場内の歓声を、私は忘れることはないでしょう。
 皆が演技が終わるのをうずうずと待ち、弾かれるように立ち上がったことも。
 キスクラに座った町田選手は足元のディスプレイを真剣に眺めていました。
 点数が出た後も、腰をおろし、順位が表示されたディスプレイを、じっと見つめていました。
 次のグループがリンクに出るようにアナウンスが流れ、我に返ったように立ち上がり、スタスタと立ち去っていく様子を双眼鏡でストーカーしていたことを告白いたします。

 札幌と大阪で見たショーのことはまた別に書ければ、と。

 PIWでまっちーが新作EXを披露したと聞いて、矢も盾もたまらずチケットを取り、宿も取れない状況のまま横浜へ。
 オープニングで、イナバウワーではけていくまっちー。
 群舞でひときわ細くて小さくて、一人腕の角度が違うまっちー、などと堪能。
 EXは、動きが大きいな、と。音に合わせて大きく体を使っているのがよくわかりました。
 ふれあいタイムで、3年前はどこか所在なさげだったのに、今年は瞬く間に花とプレゼントに埋もれ、丁寧に応対するせいで最後尾になるまっちー。
 いちいち小首をかしげてお礼を言うまっちー。
 なんか……絶対3年前より若くなってる気がするんですが?
2014年05月15日(木) (フィギュアスケート)

今さらソチ五輪とPさんの話

 生きてます。
 今年こそはもう少し書きたいとは嘘ばっかりで、また何か月も放置してしまいました。 やはり布団の中でも書ける(笑)ツイッターの手軽さには勝てないのか……。

 まあ、年が明けてこの半年近く、仕事以外はスケートに振り回されている日々でした。
 他には、酒や、綾野さんや、三国志(ていうか曹操)に自分のエネルギーを割り振っていた気がします。

 一つ一つ懇切丁寧に書き残すことはもう無理なので、印象に残った、どうしても書いておきたいことだけ書くとします。

 まず、避けては通れない、ソチオリンピックのこと。
 というか、パトリックのこと。

 頭では、パトリックも人間なんだから、オリンピックで失敗するかもしれないよね、とか、神演技券はTEBで使っちゃったのかも、とか自分の心理に保険をかけていたけれど、心の奥底では彼がオリンピックの金メダルを取るのだと信じていた。
 それ以外ありえないのだと。
 彼はあんなにも切望して、自分を変えて、取り組んできたのだから。

 でも。羽生くんも乱れた。
 パトリックも乱れた。
 二人とも、人間だった。

 乱れに乱れた演技が終わったとき、パトリックの表情はむしろホッとしたように思えた。

 パトリックが銀で終わったことが信じられなくて。
 パトリックは目を潤ませながらも観客に応え、勝者を讃えていた。
 銀……素晴らしい成績、だけれど。
 パトリックは金でなきゃ。
 世間はオリンピックの金メダリストの名前しか憶えないだろう。
 パトリックは失われたカナダでのフィギュアスケートへの関心を再び呼び起こすため、金を取らなければいけない、はずだった。
 スケーティングと高難度ジャンプの両輪で、バンクーバー後の男子フィギュア界の先頭を何年も駆け続け、技術の底上げを即してきたのは彼だったのに。
 金を取らなきゃ、特にフィギュアに関心のある層以外に彼は知られず、彼の業績が知られることもない。

 ……でも。
 パトリックが実質、男子フィギュアを引っ張ってきたこと、その事実は変わらない。
 消えはしない。
 少なくとも、私は知っている。
 トリノワールド直後、パトリックとカートが話しながらそぞろ歩いている動画で、カートが繰り返し"I'm proud of you."と繰り返す声が耳に響いてきた。
 自分の中にどうしようもなく思いが込み上げてきた。
 「愛しています」「あなたを誇りに思います」と繰り返しツイッターに書き込んだ。
 ただ、ただ、そう書かずにはいられなかった。

 その後、数日は泣き暮らした。
 言葉のあやではなく、スポーツ記事を読んだり、さまざまな画像を保存したりしながら、ポロポロと涙を流し、時には嗚咽した。
 (ありがたいことに、ダンナは妻の奇行を見て見ぬふりをしてくれた)
 メダルセレモニーでパトリックが一瞬見せる寂しそうな影に泣き、残りの日程を笑顔で過ごしている様子にさらに泣いた。
 とにかくパトリックのことが案じられてならなかった。
 カナダ念願の男子金を持ち帰ることができず、マスコミや関係者やファンからどのような扱いを受けるだろうか。
 スポンサーや後援団体がすっかり手を引いて、経済的に苦境に立たされるのではないか。
 そしてなにより、手の中につかみかけた金メダルを自分のミスで手放してしまったことで、パトリックがこの先何年も、何十年も、後悔に苦しみ続けるのではないか、と。
 実際、眠れぬ夜を過ごしたらしいことも伝わってきた。
 年齢的な事からして、次の五輪で金を狙うのは無理だろう。疲れ果てているであろうパトリックが、このまま競技から去る可能性も十分にあったが、正直それはあまり自分の中で問題ではなかった。もちろん現役で滑るのを見ていたい、引退したら寂しい、けど、彼の気持ちが何より第一だった。

 やがて、五輪は閉幕する。
 北米へ戻ったパトリックの様子も伝わってくる。
 マスコミからの批判はやはりあったようだが、カナダの人たちは思っていたよりずっとあたたかく彼を出迎えていたようだった。
 二つの銀メダルを首から下げ、晴れやかに笑うパトリックの写真が何枚も届いた。
 涙の淵に浸ってしまった自分より、さっさとパトリックは前に歩み始めていた。
 でも、折れてしまった心はなかなか戻らず、出場するかどうか半信半疑ながら入手した札幌のショーのチケットを支えに過ごす日々をしばらく過ごすことになる。

 さて。
 不思議なことに、五輪後、パトリックの人気が上昇したようだった。
 さんざん理不尽なバッシングを目の当たりにした身からすると、日本人選手に立ちはだかるヒール役から負けて降板したからじゃないかと捻くれた思いもつい湧いた。
 どんなに嫌われてもいいから勝ってほしかった、とも思った。
 それでも自分の視野に、パトリックを好きだ公言する人の姿が次々と入ってきた。
 五輪で彼を知り、試合直後やセレモニーでの紳士的な立派な態度に感銘を受けた人。
 あるいは前から知っていたけれど、彼が去るかもしれない(少なくとも世界選手権には出ない)寂しさに、今さらのように思いに気付いた人など。
 若干複雑ではあるけれども、魅力に気づいてくれたのなら、今ならまだショーであっても彼の滑りを生で見る機会があるのだから、その幸運を享受してほしい。
 パトリックの滑りは見るものを幸せにしてくれるのだから。
2014年05月14日(水) (フィギュアスケート)

フレンズオンアイスとSWE国旗

 またまたご無沙汰しています。
 相変わらず、プライベートが変に充実していて、休みの日は遊びと病院通いに埋め尽くされております。
 やっと暇ができたら、HDDの整理に追われまくるのはフィギュアファンなら仕方のないことかと。

 とりあえず、書き留めたいことは順々に片づけていきたいです。

 まずは8月25日のフレンズオンアイスのことを。
 無駄に長いのでたたみます。



 
2013年12月18日(水) (フィギュアスケート)

The Ice 大阪 千秋楽

 台風18号で、目が覚めると仕事のはずのダンナが家にいて、電車も止まり高速も不通になったので職場に行けない、と。
 家のすぐ横の川の水位がけっこう危ないとこまでいきましたが、なにごともなく終了。


 さて、7月28日(日)のThe Ice 大阪公演楽の話。

 早々とチケットは取ったものの、職場の都合でギリギリまで行けるかどうかわからなくて、ほんとうに直前で観覧が決まったThe Ice大阪公演。
 大阪市中央体育館では今まで寒い思いをしたことがなかったので、ろくな防寒用具持たずに夏の格好のまま行ったのですが、それでも暑いくらいであちこちで扇子やパンフでパタパタする姿が。毎度思うけど、氷大丈夫なんだろうか。

 日が経ってもう記憶がおぼろなので、覚えていることだけメモ程度に。
 思い出すまま書いているので実際の演技順とは関係ありません。

 The Iceは他のショーにくらべて観客の世代幅が広い気がします。ロビーで携帯使っている誰かが「真央ちゃん見に来ているの」と言っていた姿がすべてを象徴しているのではないかと。

 開始前にシブタニ兄妹謹製の昨年のPV風動画が流れました。シブタニズ去年がThe Ice参加初めてだったのね。あんまり馴染んでいたからそういう意識無かったわ。

 ソトニコワは「カッコイイ」という印象の人だったけど、今回の布を使ったプロはリアル妖精さんでした。うっとり。

 コフトンは以前国別で見たときはあまり印象に残らなかったのに、いまや堂々と自分の世界を作ってました。でもなぜスペインカラー……

 アボットは競技は今季限りということだったけれど、これからもこんなふうにスケートに関わってくれるといいなあと思いました。アボットの滑りはこんなにもうっとりするのですもの。

 バトルせんせー振付の男子プロは本当に美しく、そして技量をためされる鬼プロ。参加するほうも色々刺激されたのではないかと。

 でもってバトルせんせー、ラストダンス難しすぎます><

 ハビエルマンは使用曲がなんというかど真ん中に世代直撃で可笑しさ倍増。隣の席の方々がめっちゃ笑ってました。去年ハビエル見てラテン系にしてははっちゃけ度少ない、おとなしい人だと思ったけど、取り消します。

 真ん中のトークショーは無良くん、アボット、ハビエル、ポジェのイケメンスケーターくくり。
 終始照れまくりの無良くん、好きな日本食に焼きおにぎりという渋いセレクトのアボット(ユカさん経由という説明に会場納得)、日本女性の魅力について滔々と語るハビエル、遠目からでも滅茶苦茶ハンサムなのが伝わってくるポジェでした。

 ネイティブカナディアンをテーマとしたウィバポジェのプログラムは不思議な力強さと美しさに満ちていて、終わった時に会場から吐息が聞こえました。

 ケヴィンは噂の学生服プロ!なんで詰襟似あうんだ(笑)
 細かく刻まれるリズムが、まるでケヴィンの動きそのものから生み出されているよう。
 群舞でもケヴィンは色が白くて(輝いているレベルだったので)一目でわかりました。
 彼を見ていると、チャンピオンシップで優勝するというのはこういうことなんだなあ、と。メダリストの称号を引っ提げて人気のショーに招かれ、世界トップの選手たちと同じ釜の飯を食い(笑)肩を並べて踊る。このことがどれだけシャイな彼に自信をつけ、前に進ませているのだろう。

 真央さんは素敵でしたが、あの衣装はぬーどぽくてどぎまぎするのでちょっと考えていただけると嬉しいです。
 バトルとのペアプロかわいかった!顔立ちは純和風なのに、どんな衣装でも似合ってしまうのですね。ミ〇ーマウスみたいだった。

 楽だけのお楽しみ、といっていいのかどうか。
 こだわりの映像監督アレックスの指示(通訳小塚氏)で観客全員が作品作りに協力することに(笑)
 ドンっでピョンっがどう使われるのか楽しみです。


 最後にちょっと尾籠な話ですが。
 大阪市中央体育館での催しは、トイレは近くの公園まで行くのがよろし。
 走って3分、中で5分、走って3分で戻れます。
 今回も休憩時間にあっというまに出来上がるトイレ行列を横目で見つつ、悠然と行って戻ってきました。
2013年09月16日(月) (フィギュアスケート)

四大陸選手権 2月8日 競技編 その1

 すみません、生きてます。

 あまり久しぶりすぎて、COOKIEが消えていて、IDとパスワードがわからなくなってしまいました(苦笑)

 なんだか日記の書き方を忘れてしまいました。
 書こうとキーボードに向かうと、2ちゃんやツイッター見たり、録画していたファイルを見たり、と試験前の学生のような逃避行動に出てしまいまして。
 たぶん、四大陸があんまり楽しくて夢のようだったから、書くことに緊張して、後になればなるほど自分のプレッシャーと障壁になってしまっているようです。
 でもこのあたりでそろそろ存在証明だけでもしておかないと。

 というわけで、切れ切れに、ほんとに数行ずつ書き残していたことをとりあえずぶち込みます。

 この2ヶ月ほどのあいだに足を運んでくださった方、空振りばかりで申し訳ありませんでした。

 なんかこのプレッシャーというかハードルのせいで、録画さえ見返すことができない妙な精神状態。四大陸も世界選手権も、国別も何一つまだ見られていないのです。
 なんとかこの自分で自分にかけた呪いを振りほどきたい……

 以下はひと月ほど前に切れ切れに書き残したものです。あしからず。

 * * * * *

 四大陸からひと月以上過ぎ、世界選手権も終了した今となって、記憶もどんどん薄れ、今さら何を書くことがあるのかという気もするけれど、やはりポツポツと語り残しておきたいこともあるので。

 選手ごとのきちっとした感想などは他のブログなどを見ていただければ良いのではないかと思うので、ごく散漫な印象だけ。

 モニターにリンクに出てから演技を始めるまで与えられた時間の残りや演技の経過時間が表示されるのが、テレビじゃわからなくておもしろい。ショートは本当にすぐ終わるって感じ。

 アイスダンスは正直、チェックするべき点がいくつもあるらしいんだけど、さっぱりわからないというのが実情。今季のGPS、カップル競技の解説なかったからなあ。ド素人はあれでずいぶん助かっていたのに。
 水谷オイ組、一昨年の全日本エキシで見たとき女性がずいぶん体格良いなあと(汗)でもって男性の動きと差があるように思ったのだけれど、今回はそんなことなくて、いいバランスでいい動きではなかったかと。(後日写真で改めて見るとやっぱり女性はよい体格でしたが)
 一組目って、出た点数が第一グループレベルの選手として高いのか低いのかわからなくて、若干反応に困ってしまった。

 アイスダンスのショートって使用する音楽ジャンルが決まってるんですよね?
 衣装がミュージカル風なカップルと、西部劇っぽいカップルに二分されていた気がします。

 持参した旗は振ったけど、メキシコとか持ってないですごめんなさい。

 自分の席はほんま良い位置で、選手出入り口もキスクラもよく見えて、カメレンゴさんの存在感がすごかった。人がごちゃっといても、パッと目に付きますね。
 点数待ちの間、キスクラを見ていればいいのか、次の選手の滑りを見ていればいいのか、ぜいたくな悩み。どっちも生観戦でしか見られない。
 アイスダンス、ペアの時点では平日昼間ということもあり空席が目立っていた。
 で、カメラマンのスペースも丸見えで、はじめは12程椅子あるうち3分の1しか埋まってなかった。
 キスクラの点数待ちの間に、選手とコーチの記念写真を必ず撮っている人がいて、ポーズを取る選手&コーチを見るのも楽し。
 後日どこかでアップされていたようだけど、ブックマーク付け忘れた。INだったっけ?

 あ、自分の席で一つだけ残念だったこと。
 天井カメラの発着場(?)が近くて、ずっとうるさかった。演技終えた選手が戻ってくるところを必ず追いかけるものだから、毎回必ずウィンウィン聞かされて。あの天井カメラの音は本当に傍若無人といっていい。

 自分ほんとに不勉強で、アイスダンスの点数の出方とかよくわからないんだけど、滑走が後になるほど滑りやリンクの使い方がよくなるのがわかって、点もパーンとはね上がるって感じだった。
 
2013年04月17日(水) (フィギュアスケート)

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