製氷の時間はなんだか小さめのザンボー二がたくさん動いていました。噂の新機種?
第1グループ、6分間練習に出るのを待ちかまえている選手たちにふと目を向けて、「上半身裸の人がいる!」と一瞬あせったら、リッポンでした。あの衣装、テレビで見るとただの肌着みたいな色の衣装なんだけど、生で遠目で見ると、本当に裸に見えます。
ロシア、ブッシュ。 ザンギリ金髪、細身のシルエットが十代の頃のプルシェンコみたいです(もちろん当時は知らないので動画と写真での印象ですが)。 4回転飛んできた? あれ、この泣きのエレキなカルメンってなんだか覚えがある。ロシアナショナルで見たのかな? でもなんかスウェーデンかウクライナのナショナルあたりで見たような気も。 丁寧に滑っていたけど、ちょっとジャンプミスがありましたね。
ロシア、KOVTUN。 シニアの4分半の演技はやっぱりきついのでしょうか。オースティン・パワーズの軽快な音楽に乗り切れていなかったように思いました。
イタリア、バッキーニ。 今季はGPSで見られなくて寂しかったです。ブラウスな衣装が素敵。魅惑の斜め軸……は、今回さすがに持ちこたえなかったらしく転倒有り。
同じ国の選手が続くんだから、イタリアチームはそのまま中央キスクラに陣取ればいいのに、いちいち戻るのね。
イタリア、コンテスティ。 洒落た雰囲気に哀愁が底を流れる素敵プロ。煽ってもらったショーサイドアリーナ席の方々がうらやましい。出来はN杯のほうが良かったと思いますが、やっぱりダンスなステップは素敵です。
ところで。 自分の席から、キスクラの後ろのロビーでパトリックがウォーミングアップしている姿がず〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っと見えたんですが。 選手の演技がもちろん優先だし、キスクラも見たいしで、合間合間にちらちらと目を遣るという大変忙しい状況。 一人だったりキャシーコーチが横に付いていたり。いなくなったと思ったらまた戻っていたり。 お馴染みの緑色のTシャツ。ファンスレとか見る限り(自分も含めて)Tシャツをプレゼントに贈っている人は結構いるはずなのに、いつも同じなのはやっぱり験担ぎなのでしょうか。そして1枚のシャツを大事に着ているのか、クローゼットに同じシャツがずらーっとあるのか気になるところ。
日本、小塚選手。 6分間練習の時から思ったのですが、全体に動きが重い? 四回転は転倒。ワールドのリベンジとはいかなかったようです。 良く言えば試行錯誤、悪く言えば迷走の気があった今季ですが、来季は次のステップに進んで欲しいなあと切に思います。 それにしても、ランララなステップのぴょこぴょこぴょんと音ハメするところは毎回どうしても笑ってしまいます、ごめんなさい。 そして、アニメの曲がこんな風にシンフォニックに違和感なく流れてるんだったら、だれかイデオンの曲で滑らないかなあと思ったのは内緒。
アメリカ、リッポン。 生で見て初めてわかる衣装の真価。なんとなく蔦を巻き付けたい。より神話風になりそう。 せっかくのタノルッツが反対側のショートサイドだったので、よくわからなかったのが残念残念。 キスクラでワグナー嬢がリッポンのふわくるの髪をわしゃわしゃとしていたの図がかわいくってもう。
6分間練習。出る前に溜まっている状態で、全体に地味目の衣装の中でパトリックの赤が目立つ目立つ。 本田武史さんがフェンス際で見守っている姿がなんだか新鮮で素敵でした。 選手の紹介コールの時にメイプル国旗振りながら「パティー!」と叫んだら、回りの席の人たちが一斉にザッとこちらを振り向いて、ひどく恥ずかしかったです。 ……で。 パトリックはいきなり痛そうな転け方をしました。 腰からふとももにかけて横から叩き付けていて、立ち上がりながら明らかに痛そうな顔をしていました。 どこか痛めたのではないかと血の気が引きました。 その後も何度も転けていて、練習終わりがけにフェンス際に戻って来たときは、棄権を言い出すのではないかと思いました。キャシーコーチと言葉を交わして戻っていきましたが。 正直、この時点で自分は、パトリックの演技の内容や成績とかもうどうでもよくて、この大人の都合な大会なんかで怪我をして帰ることだけはありませんように、と、それだけでした。
カナダ、レイノルズ。 メイプル国旗をふりふりしたら横の友人が一瞬不思議そうでした。ええ、レイノルズもカナダですよ。 今回行って本当に良かったと思ったこと。 生で見るとレイノルズが4回転しているのがちゃんとわかる! 映像で見るといつも回転が早すぎてわけわかめなんだけど、生だとはっきりと回っているのがわかります。 そしてもう一つテレビ映像ではわからなかったこと。 思っていた以上にレイノルズはリンク全体を自分の空気に変えている。 長い手足できれいにポジションを決めながら氷を進んでいくと、えもいわれぬ優雅な雰囲気が回りに流れます。 失敗もあったけど、良かった。 友人も国旗の片端を持って、スタオベしました。 演技の前や演技中はどちらかというと無表情な感じのレイノルズですが、点数待ちの時にちらっと浮かぶ「むふっ」という顔がいつも可愛いです。点が出たとき会場はちょっと低くないかという空気でしたが、本人はうんうんとうなずき、納得の表情でした。
フランス、アモディオ。 冒頭の4S!(なぜかサルコウだけはなんとなく見分けが付くようになった) あとの動きもずっとノリノリのキレキレでした。 そしてずっと賑やかだったフランスのブブゼラその他の鳴り物応援は、この演技においてすさまじくマッチングしておりました。むしろこの曲のために用意しました的勢い。
フランス、ジュベール。 コールされたときの声援が一段と大きく濃い。 個人的な話ですが、今年の正月にダンナの親戚と話をしていたとき、ダンナの叔父の奥さんが「フランスのアラン・ドロンみたいなカッコイイ選手が好きなのに最近出ない〜」と言っていたので、お先に生で見てすみませんという気分。ちなみにその方、パトリックについては「なんでいつもあんなにニッコニコしてるの?」だそうで。 さて、ジュベール。ワールドの好調を維持しているようです。なんというか分厚さというかしっかりとした質感を持った動きがガツンガツンと入ってきます。格好いいですねえ。
アメリカ、アボット。 やっぱりこの人が滑ると、まわりにやさしいやわらかい風が流れる気がします。 でも……。 ここでパーフェクトな演技をしちゃうと、なぜワールドでそれが……と言われるのでこれで良かったのでしょうか。 点数のTESとPCSの差がすさまじかったです。
カナダ、チャン。 事前のブーイング奨励の一件とかあって。 もし何かあっても掻き消してやる、とか。 歓迎し、応援している人間がきちんといるんだということをパトリックに伝えたいとか。 Pの声援少ないpgr、なんて絶対に言わせない、とか。 とにかく、とにかく大声を出さなきゃ、と。 強迫観念というか、むしろ呪いに囚われた状態で、旗持って「アレー、パティ、アレー」と叫びました。 本来の自分ならもっと響き渡る声が出せるはずなのに、うわずってしまった。 叫ぶ前より、叫んだ後座りながら、心臓がぐりゅぐりゅ回りながら喉元まで迫り上がってくる感じでした。友人によれば、この時の私の表情はなかなか見ものだったらしい。 演技の内容は、覚悟したわりによくあれだけまとめたな、と。 よく最初の4-3を決めたものです。二つめの4回転は転倒で、3Aも2Aになったけど。 ハーフループコンボと鬼ルッツが決まって良かったです。 でもせっかく日本の観客に生で見てもらうのに滑りがあまり良くなくて残念でした。 キスクラでいつものくしゃくしゃ笑顔が出て、よかった。
日本、高橋選手。 冒頭、4回転が決まった瞬間、場内大フィーバー。 そのあと、要素を一つ、一つ、決めていくたびに声援がどんどんと大きく、高まっていく。 ステップで客席に近付いていくたびにキャーキャーと歓声が起きるのはもうお約束だけどやっぱり笑ってしまう。 途中からもうまったく失敗の気配無し。 これはスタオベ。 ふと見ると仏伊米露のキスクラも全員スタオベ(日加は死角で見えず)。高橋選手の演技を祝福し、中央キスクラの上に集まり、叩いて点を催促する姿は感動的でした。
昂揚に包まれて終了。 周囲からは「よかった」「うまい酒が飲める」「ホテルに帰って祝杯」などという言葉がいくつも聞かれました。 私は、平和に終わって良かった、とつぶやきました。 シーズンが終わってしまったんだなあという一抹の寂寥感と……その奥に浮かんだ感情はあまりにも醜いもので、ちょっとここに書けない。
ともあれ、クリスの件とかいろいろと思うこともあるけれど、世界のトップ選手を一度に拝める非常にお得な大会でした。 しっかりと競技なんですけど、キスクラのお祭り騒ぎのお陰で、点数とか順位はあまり気にならない雰囲気でした。
で、自分は、あの叫んだときに自分の中にわだかまっていたいろいろなものを一緒に吐き出してきてしまったらしく、今、気が抜けています。 憑き物が落ちた気分というか……がっくりときてしまったというか。 ツイッターでは安堵と書いたけれど、ほんとはちょっと違う。 感情が鈍くなっている。 なんかもうなんでもいいや、なんてやさぐれたことを言ってみたりして。
とりあえず、CSテレ朝日chで国別やるのかな。やるんだったら全員分実況抜き垂れ流しがいいなあ。
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