綾野さんがらみで買ったDVDその3。 でも綾野さんは非常にむかつくパッパラパーなチャラ男役だったので、さっくり出番に気付かなかったことにしておく。 それはそれとして、作品として面白く見ました。
タイトルからするとホラーっぽかったので、他のDVDは一人でこっそり見たのに、これはダンナに声をかけて一緒に見た。 ていうか、ダンナはジャケットを見て「かわいーじゃん」と笑いだし、このジャケットの作り方は絶対怖くない、と断言。 まあ確かにその通り、怖くはなかったです。 ホラー的な意味では怖くなかったけど、若い女性たちの表面だけ取り繕った他者との付き合い方とか、ドロドロっぷりが怖かったと言える。
3つの話のオムニバスで、それぞれはリンクしている。 「ろくろ首」「かまいたち」「のっぺらぼう」といった妖怪をモチーフにしているけど、妖怪ものじゃない。 心にちょっとした歪みを抱えた若い女性たちが、ある日気がつけば、少しずつ肉体が変容していき、やがては今までの居場所(職場や学校)に居られなくなるほどの異形となってしまう。
あるいは淡々と、あるいはややコミカルに、女性たちの変化を積み重ねていき、それぞれの破滅に至るまでを描き出す。むしろ穏やかなほどの画面は、じわりとした悲しみや切なさに満たされていき、三つの話がお互いを補い合い、しっかりと地に足の着いた作品世界を作り出している。 3人の主人公に共通していることは、皆孤独だと言うことだろうか。仲間や友人はいても、付き合いは表層的で、むしろ互いに傷つけ合ったりしている。 その主人公たちが、異形と成り果てた後に、互いに与える優しさが、このやるせない物語の救いなのかもしれない。
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