しつこいかな。しつこいよね。 でも今たがが外れた状態なので、生ぬるく放置していただけるとありがたい。
ところで、NHK杯の公式で全演技の動画が見られる(しかも遠景固定カメラ動画付きで)のでASのフリー見てたら、演技終了直後テレビでは次滑走者の無良選手を主に映していてASのお辞儀の様子とか見られなかったのに、動画ではAS固定でした。 おかげでテレビでは気がついたら手にしていたヘビぐるみを、かがみ込んで拾うところが見られた。ありがとうNHK。ところでこの充実しまくりの公式サイト、いつまで残しておいてくれるのでしょうか?
さて。 タイトルの件だけれども、自分は演技のことはからっきしこれっぽちもわからないので、そっちのことは触れません。 あくまで、なにを表現したいのだろうかという漫然とした印象のこと。 あきらかに何かのストーリーを含んでいるのだけれど、それがわからなくてもどかしくて。 解釈しようとするのは自分の性に合わないんだけど、つい、ね。
判明したとたん「まさかの!」と騒がれたロミオとジュリエット。 が、「まさかの正当派かと思ったけどやっぱりどこか変」の声多数。 そして冒頭の腕をこする仕草に疑問集中。 ニーノ・ロータとプロコフィエフを交互に繰り返す編曲も混乱を招く。 これについては、現実と回想シーンを曲で分けているのではという意見が。 でもって、「ジュリエットがどこにも見あたらないんだけど……」という声が。 あとは、「殺しても死にそうにないロミオ」だとか「生き返りそう」「実はゾンビ」とか、ろくなこと言われてない。 「脳内ジュリエットに妄想の恋をする引きこもりロミオ」などという解釈さえ表れた。 が、何度も見返すうちに妄想ロミオが当たらずとも遠からずな気がしてきた。
まず、冒頭の腕ごしごしだけど、普通に考えると縄で縛られていた跡をさすってるように見える。 ただ二十年以上前に読んだおぼろげな記憶だけど、ロミオが捕らえられていたような場面はなかったような気が。 これは因習やしがらみに捕らえられていたロミオが、それらを振りほどいた……と思えなくもない。 が、「あれは血糊を洗っているのだ」という意見もあって、それも捨てがたい。潔癖性ロミオ(病み気味)
NHK杯の演技では、各種マイムがはっきり見えるようになって、剣戟が数カ所。何かを拾い上げるしぐさ、驚く様子、刺されて腹を押さえ、最後ははっきり毒杯をあおってる。 刺されたのはロミオじゃなく、親友かジュリエットの従兄弟か、どちらにしろ、何人か演じてることになる。驚きのしぐさはもしかして不在と言われたジュリエットかも。 ロータパートが現在でプロコフィエフパートが回想という分析はかなりいい感じがしたんだけれど、ロータパートでも剣戟が見えたので、ちょっと成立しない。ラストの毒杯による仰向けの死もプロコパートだ。
というわけで、妄想ロミオ説浮上。 まあ、一応ジュリエットは現実に存在するし、恋仲でもあるという前提で。 ロータパートはロミオの目に映った物語。彼の頭の中ではこんな風に話が出来ている。 プロコフィエフパートは実際に起こったこと。現実の事件。 こう考えると、1度目のロータパートの剣戟が優雅なクルクルで、プロコパートでは大振りで殺人の瞬間を描いてる説明がつく。 ロミオは自身では戦って人を殺したことをなるべく考えないようにしたい。でも実際は派手にやらかしてしまった。 2度目のロータパートで、恋しく切ない気持ちで、運命に翻弄されクルクル舞いながら死んだというジュリエットの元へ駆けつけて、墓所を開け。 最終プロコパートで、実際には傍目には無様なくらいあたふた必死に駆けつけて自死。 と。 こんなものでどうでしょう。
……だから何? といわれるとどうしようもないですが。 どうもASの演技は色々考えたくなってしまうのですよね。
まあ、次はスケートアメリカだ。 なにより体に気を付けて〜。
追記。 もっかい見返してみて。 腕ごしごし=血糊洗い説をとると、忘れようとしているのではなくて罪の意識に苛まれているロミオととれる。「落ちない……落ちない」みたいな。 手の血に怯えるのはマクベス夫人だっけ?
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