珍しく、発売日にヒーロービジョンを購入。 動機は無論綾野さん。 斎藤工さんが持っているレギュラーコーナーのゲストとして登場。 ……綾野さんが特撮出身ということを読者どころか、編集者も全く知らないような様子が……(雑誌の編集なんて数年ですっかり入れ替わるもんな)
まあともかく。 斎藤工さんは名前と顔は知っていますが、きちんと出演作を見たことはありません。 レギュラーコーナーは毎回ゲストと対談し、本人が写真を撮るものらしい。 綾野さんとは映画「渋谷」(未公開)で共演したそうです。
ヒーロービジョン(以下HV)は最初の4号は特撮雑誌として面白く読めたけど、すっかりビジュアル重視になり、ある時期特撮さえまるきり関係なくなっていて、近頃はよほどのことがなければ購入していない。 コテコテにファンデーション塗られて、ぷりぷりピンクのリップに仕立てられ、お人形さんのような写真を撮られている(スーツアクター諸兄とて例外無し)紙面を見るにつけ居たたまれない思いをする。 今号もピンクやら紫の踊る紙面の中で、そのコーナーだけが別世界だった。 枠や背景とて無い、モノクロームの二葉の写真。 ざらりとした粗い粒子が寄せ集まって浮かび上がらせる冷たい人影。 その前後のページ。今回の企画についての編集者のレポと二人の対談も小さい字でみっしりと読み応えがあった。綾野さんのいかにも彼らしい捻った言い方を編集が伝わりやすく括弧書きでわざわざ言い換えてるのはご愛敬。「渋谷」の撮影時に綾野さんが役が抜けきれずにいたというエピソードはさもありなんと思った。かなり準備に時間をかけて役にシンクロしていく人みたいだから。だから時々、日記が電波入ったようになる(汗) なんつうか雑誌の中で異質なページだったよ。斎藤さんが「このページの前後に笑顔で載ってる男の子たち」という言い方をしているのに笑ってしまった。どっちも男の子という歳じゃないし、話してる内容も、ね。
さて。 「渋谷」はいつ公開なんだかさっぱりわからない。 で、公式やVBで役柄の写真だけ載っていてお蔵入りかと思っていたインディーズ映画がどうやら日の目を見るらしい。「エレクトロニックガール」9月12日から一週間限定レイトショーって……また渋谷か、渋谷なのか……(冷や汗) 平日挟むなら見に行ける気はするんだけど。 ストーリー紹介の内容とか、主演女優さんが演技初体験のグラドルさんというあたりかなり不安要素ではあるんだけど、VBで見た世紀末的な写真の雰囲気が凄く好きだったから期待もあるんだよね。
でもって。 そんな遠くまで行かなくても確実に近くで見られるであろう、小栗旬氏主演の「TAJOMARU」 事務所のトップ1&2がメインキャストってことで、綾野さんがこの映画に出演するのは、まあぶっちゃけバーターってやつなんだろうけど、きっかけはどうであれ、映画撮影の場に身を置く経験を綾野さんが一つでも多く積み重ねることを嬉しく思う。(出番台詞の多寡はこの際問わない) が、それはそれとして、この映画の内容どうなんだろうかと不安である。 女とのメロドラマ持ち込む時点で芥川の「藪の中」原案をうたうのやめてほしいなあというのが正直な気持ち。 「藪の中」映画化といえば黒澤明監督の「羅生門」というあまりにも有名すぎる作品があるわけだし。 同じ題材で「Misty」って映画もあったなあ。豊川えっちゃん出てたので見に行ったけど、半分寝ていてどんな終わり方だったかまったく記憶にないや。 原作の、三人が三人とも現世の罪を自ら引き受けようとしてその実は己の体面を守らんとする、エゴイズムに満ちた心の闇の深さを。 どう料理するつもりなのかしら。 公式見てるともう9割方ネタが割れてる感じなので、若干苦笑い。 いい意味で裏切ってくれるといいんだけど。
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