見に行ったであります。押忍!
いやはや、全国ロードショーだと思って油断したら、この近くじゃ名画座みたいなとこで1日2回しか上映しないっていうから、慌てて出かけたですよ。 以下ネタバレ全開〜!
見事な馬鹿映画でした(誉め言葉) で、なんというか、まっとうに面白かったです。 かなり意外。 監督(および脚本・主演)されてるのがVERSUSなどで有名なアクション俳優さんで、これが初メガホンということだったので、正直けっこう不安だったのです。 でも画面の作り方とかオーソドックスかつ正攻法で、すんなりと作品世界に入ってゆけました。画面がグルグル回ったりやたらフラッシュバックすることもなく(笑)、ほどよいアップやスローモーションの挿入が効果的。テンポ、メリハリも悪くない。多分に劇画的でしたが、原作がド劇画だからしょうがない。 いやとにかく物理的に考えて馬鹿馬鹿しくても、原作がそうだからなあ。虎丸がいかにも着ぐるみな5等身のクマちゃんと格闘していてももうその程度じゃ笑えないってくらい(^^; でも、時々入る千葉繁氏の超ハイテンションな民明書房ナレーションには吹き出すのをこらえるのにいちいち苦労した。キャスティングわかりすぎてるっスよ監督。
で、監督自ら演じる桃、悪くなかった、ていうか、良かったです。事前に心配していた台詞回しも、口数の少ない桃のややぶっきらぼうな口調に似合っていたし、ご本人の年齢にしては独特な幼い声も桃の若さにうまく転換されていた。 ほかのキャラクターもかなり笑える再現度でした。 塾長の頭の神々しさは思わず拝みたくなるほど。 で、富樫がっ富樫が〜!
唯一残念だったのは、終盤、クライマックスの桃と伊達の一騎打ちですね。 それぞれ刀と槍を振り回していたうちはいいんですけど。 伊達が甲冑外して、殴り合いになってからがね……。 伊達役の人はVERSUSほか、監督と何度も組んできたアクションできる俳優さんです。 双方がアクションできる人で、マジ当ての格闘シーンを始めると……。 桃と伊達ではなく、中の人同士の本気のやり合いにしか見えないのです。 それまでのケレン味たっぷりの、演出として見せるアクションではなく、生々しい格闘技の中継。 伊達の中の人が実はすごく体が細くて薄かったので、ちょっと面影を見失いました。
で。 飛燕なんですが。 うーん…………。 自分はもう冷静には見られないけど、どうなんだろう。 悪くはなかった、と思いたいんだけど。 もっとちゃんとアクションのできる女顔の役者さんって探せるんじゃ……。 断崖の格闘、明らかに吹き替えだったし。 ……あまり……考えたくないんだけど…… この映画のキャスティング担当の人、綾野さん主演の映画のプロデュースしてたんだよね。 身びいきとまでは考えたくないんだけど、「あ、これ彼にやらせてみたらいいかも」という時点で思考停止しちゃったんじゃないかと……。 自分にはもう冷静かつ公正な判断はできないので、他の人の意見を知りたいところです。
しかしまあ。 自分は単行本1冊も持ってないし、連載時もまともに読んでなかったつもりだったんだけど。 覚えてる、というか、染み込んでいるもんだなあ、と。 見ながら体にいろいろなものがふつふつとよみがえってくる(笑) しょうがないか、世代だから。 いろいろ書いたけど、楽しかったですよ。 あの、数歩引いて眺めたら正気の沙汰とは思えない事々を熱さと激しさで納得させてしまう、往時のジャンプ漫画が持っていた勢いを感じさせてくれたのだから。 塾生達にどう見ても40代な人たちがいたのは気になるけど(笑) 月光と飛燕が死にっぱなしだけど(苦笑) Jと雷電が出てこなかったので、万一続編が作られても「知っているのか、雷電」の台詞は聞けないのね〜。
帰り道、原作愛読者らしいお姉さん(しかもかなりの伊達ファン)が未読らしいお友だちに熱く熱く語りまくっていたのが楽しかったです。
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