年末年始に読んだ漫画についてここいらでまとめて。
「スノウホワイト」諸星大二郎 雑誌掲載時(ミステリ小説誌というところがモロ☆さん)に半分ぐらい読んでいました。モロ☆流グリム童話。ネムキでもグリムもの描いて単行本がすでに出ていますが、それよりも扱っている題材がマイナーなのが多い(苦笑)。腸詰めのお呼ばれなんて訳わかんないうえにスプラッタだから全集読まなきゃ載ってないのでは。訳わかんないものを余計訳わからなく眩暈のように描くのがモロ☆さんらしいけど。 モロ☆さんの最近の作品に多い軽いドタバタノリの(炭と藁と豆とか)も悪くないけど、笑わない取り替えっ子の話が自分としてはモロ☆さんの真骨頂じゃないかと思ったり。あの荒涼とした救いのないやるせなさはどうにも胸に残る。お得意の人間溶解もあるし。
「ニタイとキナナ」高室弓生 今はなきコミックトムプラスに連載していた縄文漫画。縄文時代の生活を徹底的に考察して、いきいきとした人々の暮らしぶりを丁寧に描いたホームドラマ。 買ってから開封する暇がなくて枕元に転がしておいたら、ダンナが拾って実家に持ってきた。拾ってきて良かった、と言っていたので気に入ったもよう。万物に神が宿り、それを敬う心と術を人が持つ、という世界観はしっくりと快い。
「サイボーグ009」 ……なんか今さらなんですが。秋にメディアファクトリー刊行の版をまとめ買いしたのをやっと開封しまして。 秋田書店版での0010〜0013編からベトナム編、ミュートスサイボーグ編の間に入るのであろう短編で、読んだことのないものがかなりありました。その中の「新型爆弾『雷電』」が、ほぼすべてのコマをほかの短編から切り貼りしているという事実に愕然。冗談抜きであちこちから切り抜いて寄せ集めて台詞を変えてるだけだったのですわ。よっぽど忙しかったんだろうなあと思いつつ、一連の短編を当初単行本収録していなかったのもむべなるかな、と。 で、やっぱりミュートスから地下帝国ヨミ編あたりが作画的にもストーリーの構成的にも最高潮だなあ、と。 初期の短編群ではなかなか9人全員動かすのは難しかったようで、009以外では007と004が出番となることが多い。変身能力と全身武器というのが絵柄として使いやすかったんだろうなあ。
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