東映チャンネルでやっていたので視聴。 一昨年の仮面ライダーのことではなく、松田賢二氏が出演した近未来アクション映画です。撮影は響鬼以前のはず。
この1年半ほどの間に、世の中にはいろいろな種類の映画があるということ、そしてそれぞれの映画が目指すものはさまざまであり、一部の映画に於いてはストーリーは意味を持たない……見せたいシーンを撮るための方便でしかないということを知りました。 だから、「とにかく俺はアクションが撮りたいんだ」的な映画に対して、ストーリーや設定のことで何か語ろうとするのは野暮の極み、愚の骨頂だということはわきまえているつもりです。 ですが。 エンドロールでブラウン管に向かって物を投げつけたい気持ちになるのをどうすることもできませんでした。映画館で見ていたら金を返せと叫んでいたことでしょう。 ええ、わかっています。映画が悪いのではありません。 自分がこの映画にちょっと向いていなかっただけなんでしょう。 楽しく見られた人だってごまんといるのでしょうから。 それでも。 ちょっと吐き出させていただけませんか。 今夜安眠できるように。
以下ネタもろバレ。
舞台は人口の9割を失った近未来。 一部の支配層によって市民が徹底的に管理された社会。 支配者の保護と治安維持のために半人工的に作られた戦士。 タイトルの出る前にテロテロリ〜っと流れた字幕によって語られる設定は、まあSF書こうとする人ならたいがい一度は考えるネタよね〜と思いつつ、自分がもう十歳若ければもう少し入り込んで見られたかも……だったんですが。 目覚めた最後の戦士(主人公)に向けられる刺客。とまどう主人公を戦いに導く女。 この女が二言目には戦えばわかる、とか、貴方は希望の存在、とか謎めいたことを半端に口にするから、何か後半に一捻りあるのかと思ったんですけどねえ。上層部の持つ秘密とか。 まさか始めに字幕で出た以上のことは何にもないとは思わなかったですよ。 ただただ他の戦士と順番に戦って。 戦闘シーンの善し悪しは自分にはわからんのですが、とりあえず相手のノドを至近距離で掻き切ろうが土手っ腹に穴を開けようが、返り血一つ浴びないというのが気になって気になって。 主人公が消されようとする理由が、忠誠一色ではなく自我を持って生まれてきたからって……。そんな見たまんまな。 戦士がみんな倒れたら最高権力者が自ら出ばってきて殴る蹴るして。 そいつを倒したら、社会機構がどうなるとか市民がどうするとか一切無くて。 いきなりバイク調達してきて(ガソリンは何処で入れた)、俺たち自由だぜ青春だぜひゃっほ〜い、てな感じでドーム都市の外に飛び出して(どう見ても水も食料も存在しません)はいおしまいって……。 ほんとにほんとに脇筋も捻りも含みもなんにも無しで、これで終わりなのかと我が目を疑いました。
画面もね、見ていて辛かったんですよ。ずっとフィルタのかかったような緑色でぼやけていて。血が飛ぶ一瞬だけ塗ったような赤。フィルム赤く塗ってるの見ると、戦艦ポチョムキンか、とツッコミを入れたくなる。
松田氏はまだ割と(ていうかこの中ではかなり)おいしい役回りだったけれど、日本刀あんな振り回し方しするの見て泣く人がいそうだ。
まあ、途中で見るのやめなかったということは、まだ完全に自分の松田氏への興味が死に絶えたというわけではなかったらしい。現実世界がどうであろうと、作品とは関わりのないこと。 たまたま今回は趣味じゃなかったけれど、善し悪しを言うほど自分は映画を知らない。
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