まだまだ現役で作品を作られると思っていたのに……
最近、あしたのジョー実写版に関連して、出崎作品について思いを巡らせていたところでした。 多くの原作付き作品を手がけていますが、ただの原作のなぞりにならず、必ず独自の読み解きと美学を持ち込んで、また違う価値を持った作品として世に送り出していました。 「ガンバの冒険」では原作からメインキャラを統合し、半分の数にして個性を際だたせていました。そして原作では他のイタチと変わらない大きさで、甘い弁舌で心を迷わせる悪魔的存在のノロイを、他の3倍の大きさで圧倒的で荘厳ですらある敵ボスに仕立てていました。 今も自分にとってノロイが最も美しく最も恐ろしい敵キャラです。というより、恐怖の象徴そのもの。
出崎キャラの、目を伏せて口元にわずかに笑みを浮かべながら人生について深く語る男性たちが好きでした。
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