++たらたら日記++

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ソビエトアニメ劇場

 なんだかずっとテンションが底を這いずっていていたんだけど、あれこれ見に行って、買い物とかもして、やっと感情に波が戻ってきた。
 とりあえず、書けそうなことをぱらぱらと書く。

 7月28日(月)は大阪までソビエトアニメ劇場を見に行ってきた。
 普通にキャラ物として認知されてる「チェブラーシカ」もモーニングとレイトでやってたけど、それはビデオ見たのでパス。
 そのチェブラーシカと同じ監督作で、これもそれなりに名前知られてる「ミトン」からCプログラム:ファンタジーは始まった。
 少女の思いが生み出した毛糸の子犬がなんともいたいけで愛らしい。周囲の子ども達&犬たちも個性豊か。はじめ犬を飼うことに反対する母親がスタイリッシュで今風(当時的にという意味で)ちょっと驚く。……ていうかお父さんは?
 「ミトン」を皮切りにカチャーノフという人の作品が三つ続いたんだけど、どれも母親と子どものお話。母親達は皆若くおしゃれで絵に描いたように美しい(まあアニメだから絵……というか人形なんだけど) そして働いて家を支えている。
 「レター」という話は父親が船に乗っていて不在で、残された母と息子の思いを描くものだからいいとして、あとの二つは影も見えないな……。
 「ママ」では買い物で行列にうんざりしてる母が留守の間の子どもについて悪い想像ばかりで心配しちゃうわけなんだけど、それにつけても列の長さよ。
 そういえば昭和の頃はニュースで乏しい物資を入手するためにひたすら列を作るソ連国民の映像をみたもんだっけなあ。
 この物のなさ、効率の悪さ、寒々とした行列、というモチーフは他の作品にも見うけられました。
 それが日常だったのかと思うと、他人事ながら暗澹とします。
 今のロシアはどうなんだろなあ。

 Cプログラムで他に印象に残ったのは、チャップリンを主演(?)に迎えてアメリカ下町を舞台にO.ヘンリーの作品を描いた人形アニメ。なんでソビエトでそんなネタ……。チャップリン人形の表情や動きが実に本人でしたが。あと、脇役たちの表情がとても人間くさくて、単なる背景にならずに、それぞれの人生を生きていると感じさせるものだった。
 レイ・ブラッドベリ原作の「雨はやさしく…」は、今となっては懐かしい昔の未来。うーん、表現が難しいな。今更もう誰も描かないけど、四半世紀以上前にはよく描かれていた「遠い未来の21世紀」の終末の光景。ゆがんだレコードの曲が流れる中、幻の田園風景に何度も飛び込もうとする鳥が切ない。

 Dプログラム:ノスタルジー
 印象に残ったのは「ガイドゥーク」かな。チラシによれば「大貴族たちの不正や残酷な仕打ちに敢然と戦いを挑んだ、民族的な復讐者(ガイドゥーク)を描いた作品。」らしい。霧の中に浮かび上がるような不思議な光を湛えた画面がなんともいえない。たぶん切り紙を利用したアニメーションなんだろうな。白い馬の持つ神秘的な存在感ってノルシュテインの「霧の中のハリネズミ」がまず浮かぶけど、ロシアのアニメには普遍的なものなのだろうか。
 「ビッグ・ティル」はエストニアの英雄譚らしい。巨人や悪魔がすごい迫力っす。なんかあの巨大感ってピカソのなんか女性の絵を思い出した。ところで人々が外敵にやられてるところの描写、ズバズバ切られすぎなんですけど。巨人は巨人で相手をぶっちぶちのばらばらにしてるけど。最後の「民衆」の台詞になんというかああ避けられないのね、と。
 たぶんピンスクリーンとおぼしき作品は、郷愁のムードと画面の雰囲気が良く合っていたけど、眠くなったのは内緒だ(笑)
 「魔法にかけられた島」ははっきりいって話はまったくわからない、けどあの手法というか、立体物のしかけはすごい。あんなおもちゃ売ってそうだ。前で見ていたお嬢さんの感想は芳しくなかったが(笑)

 Aプログラム:アニマル
 「キリン」ソビエトにも商品の流行ってあったんだ!(←失礼な)
 ……んで。
 こういう海外の短編アニメってたいがい台詞が無くてもわかる仕様になってるんだけど。
 とうとう字幕なしのが来た〜。
 さすがにロシア語はスパシーボ以外まったくひとかけらもわかりません。
 「終わり」のときに出る文字はチェコ語のと似てるけど。
 そもそもアルファベット自体違うし。
 どうでもいいけど「Ж」ってキンちゃんの背中の柄に似てる。
 話それたけど、台詞がぺらぺらとあるお話で言葉が分からないとさすがにちょっと辛い。「穴熊と月」とか「コウノ鳥のキーチ」とか、かわいい話っぽくて、なんとなくニュアンスはわかるんだけど……、どうでもいいが、コウノトリのあの目の表現は怖すぎだぞ。
 「ハエとゴキブリ」は英語の字幕が付いてたから意味が半分くらいとれたよ(笑) 理屈も御託も本能も、手洗い一回でおじゃんとな。ゴキちゃん人形あまりリアルにつくらないでほしかったわ。
 脱走した馬の話とか、鯨捕りの猟師の話とか、オチはどこだったんだろう……。

 ところでこのソビエトアニメ劇場は1プログラム約1時間半、各回入れ替えです。
 1時過ぎに始まったCプロが終わってロビーに出ると、外はすさまじい雷雨でビックリ。そのうち場内でも雷の音が響き出す……。
 3プログラム終わったら帰ろうかと思ってたけど、体力がなんとか持ちそうだったのと、まだ雨がひどかったので4プログラム制覇に挑戦。お腹減ってたけどな。

 Cプログラム:アイロニー
 最後にこれを残すとは我ながらヘビーな選択……。
 「草上の朝食」 ……いや、絵は知ってたよ、知ってたけど題名までは知らないから、最後のどんでんにあっと言っちゃったよ。悔しい。
 なんていうかものすごいブラックな社会批判の固まりなんですけど、当時こんな作品世に出すことを許されてたんですね……意外と太っ腹だな、ソ連。

 「地獄」うーん、これも何か元ネタというか元になった絵画が存在していそう。
 ……確認するためにちょっと検索してみて、今回「地獄」以外に5本同じ人の作品だとわかった。ちょっ……それぞれ作風が違いすぎて全然わかんなかったよ。で、この「地獄」は思想がストレート過ぎる、と全体に不評なようだけど、私は嫌いじゃなかった。
 どこかのキャバレー(?)で流れる物憂いバイオリンと、濃密な愛の吐息を交わし合いながら踊る数組の男女。悪魔めいた男が吹き鳴らす明るい笛の音に人々は踊らされ狂騒的な空気が支配していく。現れた伝道師らしき男が一度は空気を戻すんだけど、笛の狂躁はさらに高まって。踊り狂う男女が悪魔的にメタモルフォセスするところはデビルマンのサバトを思い出したり。現出した地獄の様相にボッシュの絵を思い出したり。

 「つくり話」実にアニメ的というか二次元的な表現だ、うむ。
 こういうの見ると手塚治虫のアニメ思い出すな。テレビ作品じゃなくて実験作と言われてるやつ。大人になって色々見ると、手塚さんもあれこれ海外作品の影響受けてたんだなと気付く。いや、逆に影響与えてた部分あるかもしれんけど。

 1時過ぎに見始めて、見終わったら8時半。
 そして、雷雨のためJRの運行はしっちゃかめっちゃかになったというダンナからのメールに、大阪のダンナの実家に急遽泊めてもらうことにした私。

 次の日はお義母さんと一緒に卸しの店にお買い物とあいなりました。
 ブラウスとか買って楽しかったけど。予定は完璧に狂ったです。
 帰りにお休みのお供用のヘッドホン買ったら大きすぎて涙目。
2008年08月05日(火) (感想)

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