またまたご無沙汰しています。 相変わらず、プライベートが変に充実していて、休みの日は遊びと病院通いに埋め尽くされております。 やっと暇ができたら、HDDの整理に追われまくるのはフィギュアファンなら仕方のないことかと。
とりあえず、書き留めたいことは順々に片づけていきたいです。
まずは8月25日のフレンズオンアイスのことを。 無駄に長いのでたたみます。
フィギュアと出会って3シーズン目。 夏のアイスショーはとりあえず The Ice だけ押さえておけばいいか、と思っておりました。関西で見られるのだけでいいかな、と。遠征費もありますし。 そんなとき、フレンズ・オン・アイスにクリストファー・ベルントソン参加の一報が。ぬあに〜!?と立ち上がらんばかりの勢いになりました。
以下、長々と思い出語り失礼。
思えばフィギュアに興味を持ったのはもうバンクーバーオリンピックも終了した2010年初夏。きっかけは動画サイトのプルシェンコ氏を扱ったお笑い系MADでした。 で、最初に見た演技動画がヤグのバナナだったんだから、自分の中ではとりあえず面白ネタの一環として足を踏み入れたわけで。 そしたらヤグディンのフェロモンにやられて、一通り動画めぐり。 自分にとってヤグプル対決のくだりは良くできた(いささかでき過ぎの)物語を享受しているようなものでした。
で、動画巡りしているうち、「ヤグプルこそ至高」「バンクーバーは糞、ソルトレイク最高」「プルこそは悪の枢軸ISUにただ独り対抗する正義の騎士」みたいなコメントを山のように読み、何も知らないものだからフンフンと受け入れていました。微妙な違和感を感じないわけではなかったけど、自分の中でまだ形にはならず。 そのうち、現役の選手の演技も見たいなと思い始め(いや、プルはもちろんまだ現役だけど)、手を出したのが面白演技・衝撃演技で必ず例に挙げられるSWE選手のものだったのは、まだあくまでネタとしてフィギュアと向き合っていた自分には当然の流れであったと言えましょう。 長年自分が好きだったゲームキャラに容貌が似ていたこともあり、すぐアドリアン・シュルタイスに夢中になりました。 バンクーバー、そしてトリノワールドでの活躍を見て、これからソチへ向けてどんどんと上昇していくのだと信じて疑いませんでした。 やがて来る秋。 四十過ぎるまでずっと漫画・ゲーム・特撮と二次元オタクであった自分が初めて筋書きのないドラマ(苦笑)のシーズンを迎えるのをわくわくと待っていました。
フィギュアファン一年生にとって、'10-'11シーズンのアドリアンのファンでいるということはいささかハードすぎたのではないかと思います。 スケアメぼっちキスクラ、コーチとの離別、泥沼の代表争い……明らかに心を病み、痩せ衰えていく姿に胸がきしみました。 そして、そんな胸の奥底で、自分がアドリアンを一人の選手として受け止めているのではなく、ゲームや漫画のキャラクターと同一視しているのではないかという不安、自分自身に対する疑念はずっと抱えていました。
さて。 アドリアンのライバルであるところのクリストファー・ベルントソンですが、アドリアンかぶれの自分であっても、決してマイナスな感情を抱くことはありませんでした。 SWEフィギュアの歴史を切り拓き、長年独りで引っ張ってきた功労者・第一人者に敬意を払わずにどうしましょう。 後から知った、オリンピック選考時のSWEスケ連のクリスに対する仕打ちはひどいと思ったし、アドリアンが取ったと伝えられる態度は失礼だと立腹しました。 最後であろうシーズンの東京(で行われるはずだった)ワールドにはまず彼が選ばれてほしいとまで思っていました。……アドリアンには次がある、とそのころは疑いもしていませんでしたから。
泥沼の末、世界選手権代表からクリスは漏れました。ひと月遅れの世界選手権の結果はと言えば、思わず「クリスに謝れ」とつぶやきたくなるようなもので。マヨは解説のやまとにビックマウスを取り上げられ揶揄される始末。
クリスは引退し、スケートから完全に遠ざかるかと思いきや、ショーなどに時折関わっている様子が伝わってきました。 アドリアンは怪我を繰り返し、姿が見えなくなりました。 気づけばマヨがSWEの一強として君臨するように。
そして私はアドリアンがいなくとも、細々とスケートファンを続け、色々な選手に声援を送っています。
そんなときに聞こえてきたクリス来日の報。
私の手元には一枚のSWE国旗があります。 幻の東京ワールドのために買ったものです。 その年の秋のNHK杯で振ろうと思いましたが、アドリアンは怪我で来日せず。 いつしか自分の中に、SWEの選手って実在するのだろうかという思いが生じました。実はキラキラした光の粉をまく北欧の妖精のようなもので、近づけば消えるのではなかろうか、と。 ばかばかしいにもほどがあるのですが、自分の中ではクリスやアドリアンは美しい幻影のようなものになっていました。手を伸ばしても届かない。
クリスが来ると聞き、クリスって実在したのか?が正直な第一印象でした。次に、とうとうSWE国旗が振れるのか、と。
あわててチケットを探しましたが、無論とうの昔に売り切れでした。 近くなら当日券を狙うんだけど、横浜だしな……と思いつつ、念のために休みを確保。 開催直前になれば急用でチケットを手放す人も出るので(自分も実際国別に行けずTwitter通じて譲ったので)じっくりと待つことに。 直前になって、ご友人が来られなくなったという方に連絡を取り、代わりにご一緒させていただくことになりました。
新横でサンドイッチ代わりに柿の葉寿司もしゃもしゃしつつ開場を待っていると、ちょうど関係者出入口付近だったもので、ジャケットを腕にたたずむ長久保コーチを拝見したり、佐藤久美子さんがスルッと真横を通り過ぎて行ったり、建物に入ろうとするクーリックの後姿を拝んだり。イリヤは見事なボンキュッボンでした……と書くと語弊が(笑)。立派な肩幅と骨盤、細いウエストの対比が見事でした。
ご友人の券を譲ってくださった方は高橋さんのファンでした。こういうとき、こちらがすでに引退した海外選手のファンですというと、とりあえず角が立たなくていいなあと思ったり(笑)
ショーは楽しかったですよ〜。あっという間に時間が過ぎました。 印象に残ったことだけ書き出します。
日本人の女性スケーターは皆、女神になるのかしら。 荒川さん、有香さん、八木沼さんたちの滑りをうっとりと夢見心地で眺めながらそんなことを思いました。 ボーン姉さんの溌剌としたコケティッシュさや、イリーナの色っぽカワイイ演技を見つつ、こういう方面に来る人っていないような……と。 安藤さんもいろいろできる人だけど、やっぱりしっとり系のほうが(自分にとっては)グッとくるし。 あ、村主さんはマスクを使った色っぽいのやってたっけ。 鈴木さんはちょっと毛色が違うけど、やはり地母神というような感じになっていかれるような気がする。 それにしても、ボーン姉さんのときの楽隊の様子が自分の席からよく見えなかったのは残念。
やまとさん大活躍。「本気出す」の結果がアダムスファミリーかと思わぬでもありませんが、あれは毎年言ってらっしゃることらしい。そして夢プロで、やまとさんを蹴起こすイリヤの雑な扱いっぷりが実に楽しそうで(笑)
ぐっだぐだの中つなぎコーナー。 高橋さんのさっきまで着てたシャツなら欲しい人は山といそう。 そしてまっすぐ出入口に向かわずに走り回る荒川さんの愛犬を追いかけるやまとさん。 毎度思うけど、イリヤのバタフライの高さはすばらしい。 あの脚に弾き飛ばされたい。
オリンピックプロは、遅れてきたフィギュアファンである自分にはご褒美のような演目でした。動画でしか見たことがないあんなプロやこんなプロが今目の前に! つなぎで演者が入れ替わるところの演出も素敵。 数々のオリンピック出場者たちがこれから臨む日本人選手を送り出し、ホスト国であるロシアの演者たちが迎えるというラストがじんと来ました。
で、この日の高橋さんは良い高橋さんでした。 まるでコケる気のしない、情熱的な、オーラまき散らしまくりの高橋さんでした。
そして、クリスのプロ。 マジックを使った演目だということは知っていました。 けれど、こんなに切ないプロだとは。 暗いリンクにぼおっと浮かび上がる光の棒。 それをそっと両腕で包み込みようにして静かに滑るクリス。 やわらかい、か細い光を、そっと慈しむように。 その光は、夢とか希望とか、大切な思い出、愛といった心の内側で淡く輝く何か、あるいは人生そのもののようで……それを抱きかかえているような姿に涙が出そうになりました。 ああ、そうか。 SWEのスケーターたちは、氷の上で、わずか数分の演目で、人生とか人の心のありようとか生き方とか、そんなものまでも表現していたから。 だから自分はSWEのスケーターたちが好きだったんだと、あらためて気づきました。 決してルックスや奇抜なプロを二次元キャラクターのように楽しんでいただけではなかったのだとホッとしました。悩んでいた3年前の自分に教えたい(笑)
フィナーレで、SWE国旗を横に持つと両隣の邪魔になるので縦にして、曲に合わせてぶんぶんと振りました。他にもいくつもSWE国旗が揺れていました。 クリスは捌ける直前に、おや、という顔でこちらを見上げてくれました。 これで充分に甲斐がありました。
会場にはクリス宛の花もあり、その前でSWEクラスタのフォロワーさんと待ち合わせしました(笑) 花には衣装ベアが一頭ついていたけれど、初めは二頭いたらしい。どこいったんやー。
終了後、フォロワーさんとお茶しに行ったけど、小塚さんのロンカプ衣装の襟の銀英伝装飾が減ってたね、の一言からオタクな話題(主に特撮)に転がり、フィギュアな話に戻ってくることはありませんでしたが、悔いはないです(笑)
新横の近くに宿をとったので、夕食としてラーメン博物館に行ってみました。パトクラスタとして!(笑) ていうかこんなに近かったんや。 要するにテーマパークみたいなものなのですね。昭和30年代ごろの街並みを再現して、そこに本物のラーメン店を織り込む、と。 今はもう改装しちゃったけど、映画村のパディオスの1階がこんな風に古い街並みでしたな。 それにしてもなんでこういう街並み作るときって汚れまで作りこむんだろう。当時は当時なりに新しいお店だってあったろうに。 そして、ああここにパトリックも来ていたのね、と小学生並の感想をつぶやく自分(苦笑)
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