なんか、バレンタインデーも終わりですよ。 もうずいぶん長いこと物書きもしてないから、ここらでいっちょSSでも……と思いかけて、はたと自分が扱ってるジャンルってバレンタイン縁がないことに気付く。舞台が海外だったりそもそも地球じゃなかったり。 ええと待てよそんなはずは、日本の話だってあるはず……とか焦ったら、頭の中にこんなのが。
「尾室くん、なによ、ずいぶんそわそわしてるわね」 「あ、いえ、小沢さん、別にそんなでも」 「なに、気持ち悪いわね」 「あ、あの、え、その……」 「だから、なに」 「あ、その、今日は2月14日だなあ、と思いまして」 「ああ、そうね」 「……って。……まあ、そりゃそんな期待はしてなかったですけど……今日はバレンタインデーだなって……」 「……バカバカしい!」 「小沢さ〜ん」 「そもそも、バレンタインデーに女から男にチョコを贈るだなんて馬鹿げた風習、日本だけよ。一部の企業の思惑に乗せられて踊りまくってるなんて、バカ以外の何者でもないわ」 「まったく、こればっかりは完全に同意ですね」 「北條くん、いつから盗み聞きしてたのよ」 「人聞きの悪い。しかしまあ、バレンタインなんて無意味なのは同感ですよ。今日も朝からチョコレートを断るのに忙しくて参りました」 「これ、自慢ですよね」 「ただいま。あれ、北條さん、こんにちは」 「氷川くん、なに、その袋」 「あ、なんだかよくわからないんですけど、今朝からいろんな人に包みもらって、持ちきれずにいたら用務の人が袋もくれて、なんでしょうね?」 「……」 「……」 「……」
ああ、山もオチも意味もない(涙)
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